弟子が語るドラえもんの知られざる"黒歴史"

国民的人気漫画はどう作られていたのか

藤子不二雄先生のアシスタントとして働いていたえびはら氏に、仕事場の裏話や『ドラえもん』の制作秘話などを語ってもらった(撮影:梅谷秀司)

国民的漫画『ドラえもん』は来年で生誕50年。その愛され続ける理由とは。『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 ドラえもん達との思い出編』を描いた漫画家のえびはら武司氏に聞いた。

“黒歴史”を乗り越えて人気勝ち得た

藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 ドラえもん達との思い出編
『藤子スタジオアシスタント日記 まいっちんぐマンガ道 ドラえもん達との思い出編』(えびはら武司 著/竹書房/1300円+税/184ページ)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

──リオ五輪の閉会式、次の東京五輪のPR映像でも「ドラえもん」は重要な役で登場しましたね。

作者の「藤子不二雄」とは藤本弘(後に、藤子・F・不二雄)と安孫子素雄(同、藤子不二雄A)の合作ペンネーム。『オバケのQ太郎』でブレークしました。ただ僕が2人の「藤子スタジオ」に弟子入りした1973年にはもう合作はやめていて、ドラえもんは藤本先生と僕のほぼ2人で描いていました。

──『ドラえもん』の詳細はチーフアシスタントさんが決めたとか、いろんな裏話が出てきます。案外そんなノリで進めていくものなんですか? 手が回らないときは助っ人を呼んで代筆を任せるとか。

話の流れで重要な設定はもちろん先生が考えます。でもストーリーに直接関係ない属性は、勝手にやってという感じ。「ジャイアン」の本名「タケシ」も僕の名前。最初ジャイアンはジャイアンで通してた。名前をつけて同名の子がいじめられたらかわいそうだから、と。でもそのうち、「何でジャイアンだけ名前がないんですか?」って子供たちから投書が来た。それで急きょ、隣で手伝ってた僕の名前と誕生日が使われました。

──今や押しも押されもせぬドラえもんにも“黒歴史”があったとか。

僕がアシスタントで入ったのは、日本テレビで『ドラえもん』のアニメが終了した年でした。久々のアニメ化で喜んでたのもつかの間、この日テレ版は全然人気が出なくて半年で打ち切りになった。原作にない話やキャラクターが出てきたり、途中でドラえもんの声が変わったり、いじりすぎたんです。

アニメ化した人が原作をちゃんと理解してなかったんですね。作り方があまりにメチャクチャで、こんなのもう、ドラえもんじゃないって作品になっちゃって。見てる側が訳がわからずついていけなくなった。先生は、この件についてはいっさい語りたくない、と。

次ページドラえもんの人気に火がついた理由
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
  • 今見るべきネット配信番組
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「未来を知る」ための読書案内<br>ベストブック2021

先を見通せない日々が続きますが、本を開けばアフターコロナ時代のヒントがあふれています。本特集では、有識者や経営者、書店員らが推薦した200冊を掲載。推薦数の多い順にランキングしました。あなたにとっての珠玉の1冊を探してみてください。

東洋経済education×ICT