見合いして2年付き合った男女が破局したワケ 婚約解消に至るカップルには共通項がある

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私はこれらの話をした後で、貴之に言った。

「婚約中には、みなさんいろいろなもめ事があったり、けんかをしたりして、それを乗り越えられれば夫婦になっていく。決裂してしまえば婚約解消をしていく。2つに分かれていくんですよ」

私の話を真剣な表情で聞いていた貴之が言った。

「乗り越えられるか、婚約解消になるか。その分かれ目ってどこにあるんでしょうか」

「これは相手の立場に立って、物事を考えられるかどうかなんですよ。それが思いやりですよね」

結婚できない人には太い「自分軸」がある

人それぞれに、嗜好がある。それまで生活してきた環境の中で、自分はこう生きていきたいというマイルールがある。

「今回閑静な住宅街に家を買いたかったのは、大都会で忙しく働いているのだから、お休みの日には緑があふれる街で、のんびりと過ごしたいと思ったからですよね。

でも、年老いたお母様は、昼間1人でその家にいる。買い物に行くのも不便、病気になったらタクシーを呼ばないと病院にも行けないような環境で暮らすのは、不安だと思うんですよ」

そんな母親を思っての美恵子の言葉だったのだろうが、彼女に貴之を思いやる気持ちがあるのなら、「母を不安にさせるような態度を今後も取るなら、この結婚自体を考え直したい」という言い方ではなく、「これからどんどん老いていく母が、病気になったり買い物に行けなくなったりしたときに、私たちが母の世話をしなくてはいけなくなるから、逆に手がかかるわよね」という言い方をすれば、貴之も憤慨しなかっただろう。

「確かに鎌田さんのおっしゃる通りですね」

婚活を続けても結婚できない人というのは、太い自分軸がある。自分で作ったマイルールを正解だと決めつけて、パートナーに押し付けようとする。

スルリと結婚をしていくのは、相手の欠点を見逃すこと、失敗を許すこと、ささいなことにも“ありがとう”という感謝の気持ちを伝えられることができる人たちなのだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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