お金の問題で破談になったケースもある。
ブランドスーツを着こなし、ベンツを乗り回していた62歳の自営業の男性と51歳の公務員女性が婚約をした。結婚に向けての話を進めていくうちに、彼には8000万円の借金があることがわかった。面食らっている女性に、彼は言った。
「自営業者は、借金があって当たり前なんだよ」
しかし、相手は62歳、あと何年働けるかわからない。10歳若い女性のほうが当然長生きをするだろう。彼が死んだ後の借金はどうなるのか。借金があるのになぜブランド物のスーツを着たり、高級車を乗り回したりしているのか。これまで公務員として地道に働いてきた彼女には、その金銭感覚が理解できなかった。そして、女性から婚約解消を申し入れた。
また、“性的な問題”で婚約解消になったカップルもいる。
「子どもを作るには何をするかわかってる?」
38歳女性が47歳男性と婚約したのち成婚退会をして、2泊3日の旅行に出かけた。付き合っている間も、彼から手をつないできたり、肩を抱いてきたりすることは一度もなかった。旅行中も2人で肩を並べて歩くものの、彼女に触れてこようとはしなかった。
夜も同様で、ふた晩とも2つ並べられた布団に別々に寝て朝を迎えた。女性から性的関係を迫ったりするのは恥ずかしかったが、旅行を終えた帰り道に、彼女から切り出した。
「私は、結婚したら子どもが欲しいの。子どもを作るには何をするかわかっているよね」
すると、彼が言った。
「僕は、子どもはいらないよ。そもそも、そういうことをするのは好きじゃないから」
彼の言った言葉に耳を疑った。彼と結婚したら単なる同居人のまま一生を送ることになる。世の中にはいろいろなタイプの人がいる。女性と性的関係を持つことを好まないという人がいても不思議ではない。しかし、その男性を自分の結婚相手に選ぶことはできない。
このケースも、女性から男性に“婚約破棄”を申し出た。
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