「ある女性と婚約をしたのですが、ここにきてこのまま結婚していいかどうか悩んでいます」
矢島貴之(47歳、仮名)が、婚活相談にやってきた。私のところでは、ほかの場所で婚活している方たちの“婚活相談”にも乗っている。
貴之は紺のスーツにネクタイを締め、見るからにまじめそうな、大手企業で働くサラリーマンだった。
結婚の話を進めるうちに疑問点が出てきた
「2年間お付き合いして、結婚の話を進めていくうちに、婚約者に対していろいろと疑問点が出てきたんです」
婚約者、斎藤美恵子(42歳、仮名)との出会いは、大手の結婚相談所だったという。
「結婚相談所で出会ったのに、2年? すいぶん長い間、お付き合いをしていたんですね」
結婚相談所は、言わずと知れた“結婚をしたい男女が登録する”ところだ。そこでお見合いしてお付き合いに入ったら、3カ月を目安に、“お互いに結婚に向かえるかどうか”の意思確認をするという規約がある。このとき、一方が“結婚に向かいたい”と言っているのに、もう一方が“結婚を迷っている”場合は、いったんお付き合いを解消することになっている。
時間は有限だ。迷っている相手に引っ張られて、1年、2年と経ったときに、“やっぱり結婚はできない”となったら、“結婚したい”と思っていた相手の時間が無駄になってしまうからだ。
ただ、この3カ月の規約は、 “今は決められないので、もう少し時間をかけたい”とお互いが思っているなら、適用されずに本人たちの意思に任せて延長をすることになる。
「相談所で婚約をして、成婚退会をしたんです。そこから約2年間、2人の中で結婚に向けてのお付き合いを進めてきました」
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