井原正巳、柏の「J1復帰」へ譲れないポリシー 「ピッチで100%やらない選手は使えない」

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指導者としてのポリシーについて語った井原正巳氏(東洋経済オンライン編集部撮影)

「自分が信頼できる選手かどうかというのは、指導者である自分の言うことを本当にやってくれるかどうか。

結果に責任を取らなきゃいけないのが指導者なので、そこに応えようとしてくれているか否かはいちばん大事なポイントです。僕はそこをよく見ながら、判断してやってきました」と井原氏は語気を強める。

逆に言えば、彼を重用した日本代表指揮官や所属クラブの監督たちは「井原なら絶対に全力で戦い抜いてくれる」という確固たる信頼があったからこそ、長きにわたって起用し続けたのだろう。そんな選手時代の経験は、指導をする側に回った今、大いに生かされているに違いない。10代から起用した冨安、20歳そこそこで抜擢した中村航輔などは、「井原監督のお眼鏡にかなった選手」ということになる。

2019年に再び赴いた柏レイソルでも、彼らのような才能ある若手を引き上げ、チーム力を向上させることが井原氏に強く求められている。一度、監督という立場を経験した指導者が再びコーチという補佐的な仕事に戻るのは勇気のいることだろうが、2011年J1タイトルをともに獲得したネルシーニョ監督からの誘いとあらば、心が動かないはずがない。柏での指導歴が6年と長く、古巣再建への情熱が掻き立てられたことも、今回の決断の理由だったようだ。

必要としてくれたクラブに恩返ししたい

「レイソルは最初に監督をさせてもらったクラブ。ネルシーニョさんとも長くやらせてもらいましたし、お世話になったクラブからもう1度声がかかったことは大きかったですね。

『今年、何としても強いレイソルを作るべく立て直したい。チームを助けてほしい』と強化の方からも伝えられましたし、アビスパで監督をやった経験も生かすことができるのかなとも感じました。自分を必要としてくれたクラブに恩返しをしたいというのがいちばんの気持ちです」と井原氏は目を輝かせた。

ヴェルディ川崎(現J2・東京ヴェルディ)を皮切りに、名古屋グランパス、ヴィッセル神戸と数々のJクラブで手腕を振るってきたネルシーニョ監督にとって、J2制覇を含めて4つのタイトルを取ったレイソルでの6シーズンは特別な時間だったのではないか。その参謀としてサポートした井原氏の存在は再び成功するうえで不可欠な存在だったと言っていい。

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