新元号の名前に安倍首相の「安」が入らない根拠 来月発表される「新元号」の意外すぎる事実

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では、元号に使われた漢字のランキング上位を紹介しよう。

第1位 「永」(29回) 
第2位 「元」「天」(各27回) 
第3位 「治」(21回) 
第4位 「応」(20回) 
第5位 「和」「文」「長」「正」(各19回)
第6位 「安」(17回)

そう、この第6位に安倍首相の「安」があるのだ。

たしかに安心、安全の「安」だから、悪い意味はもたない。だから過去に17回も使われたのだろう。鎌倉時代の「弘安」(弘安の役)、江戸時代前期の「慶安」(慶安の変)、幕末の「安政」(安政の大獄)などは比較的有名な元号だろう。

では今回、この字は使われるのだろうか?

「新元号」の条件

明治22(1889)年に「皇室典範(旧)」ができ、一世一元が明文化された。だがそれは、第二次世界大戦後に廃止される。当然このとき、「元号は廃止して、西暦一本化でいいのではないか」「昭和のままで続けよう」「新元号にしよう」の案が出た。が、結局うやむやのまま。実は、日本人は法的根拠もなく「なんとなく慣習で昭和を使っていた」のだった。

昭和54(1979)年に「元号法」ができ、法的根拠が生まれた。このとき、「元号法は、その使用を国民に義務付けるものではない」という政府答弁がある。

「『協力を求める』ことはあっても『強制するとか拘束する』ものではない」

と繰り返し答弁している。これが公式見解だ。

ところが、平成6(1994)年「公文書の年表記に関する規則」というものができて、

「公文書の年の表記については、原則として元号を用いるものとする。ただし、西暦による表記を適当と認める場合は、西暦を併記するものとする」

となった。繰り返し述べてきた政府答弁との整合性が、よくわからない。現在、公式書類を書く時に「今って元号で何年だ?」と困る理由は、ここにある。

「平成」のときは、内密に選ばれた人文系の碩学(せきがく)数人が案を練った。新元号選定のポイントは、6つある。

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