新元号の名前に安倍首相の「安」が入らない根拠 来月発表される「新元号」の意外すぎる事実

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1:国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること
2:漢字2字であること
3:書きやすいこと
4:読みやすいこと
5:これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと
6:俗用されているものでないこと

どれも納得がいく。今回も同様だろう。すると、「安●」「●安」という元号案があっても、不思議はない。

大手新聞社がやらかした「光文事件」

大正から昭和になるときの、有名な「光文事件」をご存知の方も多いだろう。当時、東京日日新聞(毎日新聞の前身)が、「新元号は光文!」と号外を出してスクープした。しかしこれは誤報だった。「光文とスクープされたので、昭和に差し替えた」といううわさもあるが、どうやらそれは正しくない。

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元号を決めるときにはいくつかの候補案がある。このときの最終案が、第一候補「昭和」、参考「元化」「同和」だった。ここに「光文」はない。しかし、最終案になる前の候補には(立成、定業、光文、章明、協中、神化)もあった。ここの「光文」が漏れた。だから「光文スクープ」に関係なく、もともとの第一候補「昭和」になっただけ、という。

さらに裏読みをすると、実際は差し替えだったが、それを否定するためにこういうストーリーを作ったのかもしれない。真実はわからない。が、ハッキリわかるのは、「先に報道された漢字は、採用されない」ということだ。

ということはつまり、今回、世間が「安倍首相の『安』が入る!」と声高に叫べば叫ぶほど、(もし候補にあったとしても)「安」は採用されにくくなるわけだ。もちろん、安倍首相に関係深い文字が元号になる可能性も低い。

藤井 青銅 作家・放送作家

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ふじい せいどう / Saydo Fujii

23歳のとき、第1回「星新一ショートショートコンテスト」入賞。これを機に作家・脚本家・放送作家としての活動に入る。メディアでの活動も多岐にわたる。著作に『「日本の伝統」の正体』『幸せな裏方』などがある。

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