職場で「常に論破される人」に欠けた議論のコツ 大事な商談や説得にこそ「正義」を掲げよう

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繰り返しになりますが、どんな提案や意見も聞き手に納得してもらいたかったら、正義の衣でくるまなくてはなりません。正義さえあれば、聞き手も安心して賛同できるのです。それが陰謀なら、なおさらでしょう。

正義は「セーフティネット」でもある

交渉や説得に正義を持ち出す第2のメリット。

それは、こちらの意見や提案が結果的に間違っていたり、失敗に終わったりしても評判が下がりにくい、ということです。

これは個人のセルフブランディングを意識している人には、特に大事な視点です。勝っているとき、調子のいいときのセルフブランディングは簡単です。放っておいても評判は上がるでしょう。難しいのは、失敗したときに他人にどう思われるのか。自分の評判を操作するためには、失敗した際のイメージダウンを最小限にすることが大事なのです。

その失敗した際の評判を守るのが正義です。

説得、交渉、プレゼンでこちらの意見や提案が実は間違っていたということはよくあります。結果的にそれに賛同し、採用した相手に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

こうした際、相手に「手柄を焦ってみんなに迷惑をかけた」と思われるのか、「みんなのためを思ってやったことだ」と思われるかでは、個人の評判としては天と地の差があります。

だからこそ、説得や提案の際には正義を語っておくのです。「みんなのため」「社会のため」「会社のため」「未来のため」の意見であることをあらかじめ印象付けておくことが大事なのです。

前回、言葉に説得力を持たせるには、「勇気」を見せることが大事だと説明しました。これは「正義」と組み合わせることで完全なものになります。というのも、勇気ある意見はリスクを伴います。たとえそれを採用しても失敗はつきものです。だからこそ、こちらの意見や提案が失敗に終わったときに、周囲にどう思われるのかについても、同時に考えておかなくてはいけません。

そこで重要なのが、今回見てきた正義を語る行為です。

説得や交渉で勇気を見せたいのなら、そこで必ず自分の意見や提案の持つ正義も語っておきましょう。そうすることで、仮に失敗に終わった場合のセーフティネットも同時に張っておく。

それをせずに勇気ある提案や意見を繰り返し、結果として失敗を繰り返せば「自分の手柄のために周囲を巻き込むヤツ」「目立ちたいだけのヤツ」だと思われて評判は下がる一方です。「勇気」と「正義」は必ずセットで使うべき武器なのです。

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アルファポリスビジネス編集部

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