「英語は小さい頃に始めた方がいい」という誤解

やみくもに幼少期に始めても意味がない

英語を話せるようになるには、早くから始めたほうがいいというのは本当でしょうか(写真:PIXTA)

「5歳で1年間学べば英語がペラペラに!」「たった2カ月で英語がペラペラになれる」「小学校英語の準備は十分ですか」「お子さんをバイリンガルに育てる方法」――。

子どもの英語学習に関しては、いろいろな宣伝を目にします。「2カ月でペラペラに」とうたっている英語とは、いったいどのような英語なのだろうかと不思議に思います。これまで私は、「英語を習わせたいけど、何歳から始めさせたらいいのか?」という質問を、多くの親から受けてきました。今回はその質問に答えながら、どのような英語の学びが子どもにとっていいのか考えていきたいと思います。

英語を始めるのは早いほうがいい?

「英語を身につけるには早ければ早いほどいい」ということをよく聞きます。早期英語教育を推奨する人たちの常套句です。はたして本当にそうなのでしょうか。

この論理の根拠となっているのは、例えば海外移住によって現地の幼稚園や学校に通い始めた子どもは、大人よりも早く、あっという間に英語を話せるようになる。さらにとてもいい発音を身につけることができる、といった事実でしょう。

英語を学ぶ環境には「第二言語環境」と「外国語環境」の2種類があります。

●第二言語環境……生後のある時点からふれることによって自然に身につく環境のこと(例)海外に移住した場合
●外国語環境……母語とは異なる外国語として英語を学ぶ環境のこと(例)日本で英語を学ぶ場合

海外移住をした場合、幼稚園や学校に通うなど子どもの生活環境に英語があれば、圧倒的な量の英語を毎日耳にしインプットすることになり、さらには自己表現としてアウトプットせざるをえない状況となります。アメリカの幼稚園に入園した子が、ひと言目に発した英語が、「It’s not fair!(それは不公平だよ!)」だったという話を聞いたことがあります。

こうした環境で生活する場合、発音に関しては早期に始めたほうが有利のようです。しかし、習熟度には移住した年齢が大きく影響し、幼児よりも年長者(例えば小学校高学年や中学生)のほうが速く習得できるという調査結果があります。それは年長者のほうが母語をベースに育んだ認知能力を駆使して、文法や語彙を理解できるからです。

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