就活で蔓延する「早期内定囲い込み」の手口 企業の安易な囲い込みは離職を増やすだけだ

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とはいっても、ある一定の時期までには、必ずどこに入社するかを決める必要はあります。それまでに、ちゃんと自分と向き合い、そして興味がある会社について調べ、会社の違いを理解し、何故自分がその会社を選ぶのか、そして、その仕事を続け、将来自分は、どうなりたいのか、それらを周りの人たちに胸を張って言えるのであれば、早期に入社を決断しても大丈夫でしょう。

しかし、それらがちゃんと言えず、違う会社との比較検討もせずに、なんとなく出会った会社の雰囲気や社員の魅力だけで就職先を決めるのは、中長期的なキャリア形成において大きなリスクを抱えることになることをわかってほしいと思います。

「最初に入る会社なんてどこでもいい。自分がそこでどう働くかだ」という考えの人がいるのもわかっていますし、そうした考えもある意味間違いではないので否定はしません。しかし、私は最初に入る会社が、その人の働く価値観や姿勢をつくることに大きな影響を与えると強く感じています。だからこそ、最初に入る会社は大事にしてほしいと思っています。

本当に自分に合った会社を見つけることが難しいこともよくわかります。しかし、安易に決めるよりは、やるべきことをやって決めたほうが、より自分に合う会社に入社できる可能性は高まると思います。

就職は自分への投資という気持ちで

人の生涯年収は、2億円~3億円と言われています。給料は労働の対価という部分がありますが、自分の将来価値がそれだけ得られるという投資的な考え方もできます。就職先を決めることは、2億円~3億円(場合によってはそれ以上)の対価を得る投資先を決めることと、同じような意味があると思っています。

大した仕事の経験がないのに、投資する先(=入社できる先)を広く選べるのは、新卒の時だけです。だからこそ適当に決めず、自分自身を、その会社に投資する理由について、明確に語れることが必要だと思っています。

入社すれば、きっとうまくいかないことだらけでしょう。辛いこともたくさんあります。でも、そのうまくいかないこと、辛いことを乗り越えるだけの理由が自分の中にあれば、きっと踏ん張ることができ、必死にもがく中で乗り越え、成長できるでしょう。

就活に時間と労力を割き、いろいろなことに向き合うことは、大変だと思います。しかし、働くうえで、自分自身の大きな支えとなる意思や思いを、貴重な新卒就活という時間の中で、つくることが大事だと思っています。

豊川 晴登 人材ビジネス企業 人事・採用担当

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とよかわ はると / Haruto Toyokawa

1974年生まれ。ベンチャー、中小、大手上場企業など複数の企業に勤務し、小売、金融、保険、アウトソース、人材等の事業領域で人事を中心としたキャリアを積む。事業責任者、上場企業の執行役員等の経験を経て、現職に至る。GCDF-Japanキャリアカウンセラー。

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