市長ら8人「税金使った欧州視察」が謎すぎた 五輪と関係薄い自治体が参加、レガシー学ぶ?

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 おそらくオリンピックミュージアムにあるのは古代ローマ時代ではなく“ギリシャ時代”の古代オリンピックの品々だろう。

札幌冬季オリンピックも1972年の間違いだとは思うが、これが市長の学んだ視察内容である。

ローザンヌ、オリンピック・ミュージアム前で写真を撮る富山・滑川市長。「実録!金の事件簿」は2月1日(金)夜7時57分~フジテレビ系列(一部地域除く)で放送(写真:フジテレビ)

宿泊したホテルの部屋まで報告書で言及?

次に団長でもある岡山県・真庭市長の報告書を見てみよう。

<10月21日16時過ぎにフィンランド着>
 成田空港を出発して約9時間、機内であまり睡眠ができないままヘルシンキ空港に到着した。確かに、ヨーロッパの玄関として日本から一番近い空港である。かなりの賑わいであるが、豪華さはなく地味な感じである。
<10月22日10時30分~12時過ぎ ヘルシンキ市内高齢者施設「キナポリ広域サービスセンター」>
◆ヘルシンキ副市長サンナ ペシカンサさん(女性 福祉担当)から
 ヘルシンキ市の概要(人口653千人、出生率が2を超えていたが、近年2以下になり、高齢化も始まっているなど)と福祉の歴史、特に「ネルボラ(保健センター)の説明を受けた。」ロシアからの独立後、内乱状態を乗り越えて、まとまることの重要性を学び、特に近代民主主義社会で最も早く、1906年に男性・女性ともに参政権を得て、繋がったことがよく理解できた。
<10月23日8時20分~15時過ぎ。ヴィヒティ市のクオッパヌメン一貫教育センター>
◆緯度が高いこともあって、まだ暗いうちにホテルを出発し、ヘルシンキ市郊外のヴィヒティ市クオッパヌメン一貫教育センターに向かった。このセンターは日本でいうところの園、小学校、中学校一貫の教育施設で、750人の子供が在籍している施設であった。新しく、綺麗で、なんとなく開放的な印象を受けた。

など話を聞いた人たちから学んだことが書かれているが、

10月23日<その他の雑感>では

◆早朝に宿舎を出発し、7時間近い同一場所での視察は充実していたものの、終了後かなり疲労感を覚えた。連泊のホテルは、都心部から少し離れた高級ホテルではなかった(4つ星??)ので、そのホテルからすべてを語ることはできないが、歯ブラシ、櫛などのアメニティグッズが全くない。シャンプーも一種類、部屋の使用もシンプルだった。トイレも簡素なもので、もちろんウォシュレットはない。

と、なぜか宿泊したホテルの部屋まで細かく言及していた。

次ページ実態は市長たちの“海外視察ツアー”か?
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