今回の場合、野球部員も、ダンス同好会も、部長の先生も「善かれ」と思ってやったことであり、教育上の問題があったのだろうか。
ケアレスミスとして、厳重注意処分などにするのではなく、なぜここまで大事にしてしまったのか。
高知商業のダンス同好会も、野球部も、高野連のお叱りを受けて「しゅん」としてしまったことだろう。
日本高野連の「優先順位」への疑問
高知県でも野球人口が減少している。昨夏の県大会は28チームが出場したが、2つの合同チームが含まれていた。県単独で予選を組むことがだんだん厳しくなりつつある。
そんな中で、厳しい処分をすれば「高野連はおっかない」と敬遠する意識がますます強まるだろう。
日本高野連は、新潟県高野連の「球数制限」の問題では、「高校野球特別規則に載っていない」ことや、「事前に連絡がなかった」ことを問題視して待ったをかけようとしている。高知商の問題では、野球部のささいな瑕疵(かし)をあげつらって、ペナルティーを科そうとしている。
野球界が、大きな変革の時代を迎えようとしているなかで日本高野連の「優先順位」はどうなっているのか。
今年になって野球殿堂に選出された第5代日本高野連会長の脇村春夫氏は、会長時代の2009年1月、退任直前のNPBコミッショナー、川島広守氏を訪ねて、「正式なルールに基づくプロアマ交流の原案」という書類を手渡した。これがきっかけとなって「ドラフト制度に関する覚書」が取り交わされ、プロとアマの「雪解け」は一気に進んだ。
脇村氏は事前に日本プロ野球選手会の古田敦也会長(当時)とも協議し、プロとアマが連携して日本野球を盛り上げていく必要性を共有していた。
10年前の高野連の英断で、元プロ野球選手のアマチュア野球復帰の道が切り開かれ、野球界は大きく変わったのだ。
過去には、日本高野連が、勇をふるって野球界を大きく変えたこともあるのだ。日本高野連は、日本野球の未来にとって「大事なこと」「最優先すべき課題」はなにかを認識して、行動してほしい。
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