同部長は硬式野球部の部長であるとともに、ダンス同好会の顧問も務めていた。そのよしみもあって、昨年夏はダンス同好会がチアリーディングチームを結成し、高知県大会から応援に駆けつけた。
野球部が県大会決勝で明徳義塾の9年連続出場を阻止して12年ぶりの夏の甲子園出場を決めた際には、ダンス同好会はスタンドで涙を流して喜び合った。
高知商業は甲子園でも3回戦まで進出し、ダンス同好会はチアリーダーとしてスタンドで応援し続けた。
野球部を引退した3年生たちが、ダンス同好会の発表会に出演したのは、夏の応援に対するお礼であり友情の証しだったのだ。
ダンス同好会は創部12年になるが、1000人規模のステージでの発表会はこのときが初めて。イベントが決まると、野球部員たちは、夏のお返しで初の大舞台に駆けつけると約束した。
発表会では、ダンス同好会のチアリーディングに合わせて、ユニフォーム姿の野球部員がスイングなどのふりを披露し、会場は大いに沸いたという。
問題視された入場料500円は、高知県立県民文化ホールの施設使用料や舞台設営費用など諸経費に充てるために設定されたものだった。
商業高校は、昔から地域経済の担い手を輩出してきた。同好会のイベントをやるにしても、ビジネス感覚を持って運営すべきだ。入場料を取って同好会のイベントを行うのは、商業高校の教育目的からしても何らおかしいものではないはずだ。
「入場料」ではなく「カンパ」にしていれば何の問題もなかった、という声もあるが、総体的にこのイベントは健全だったのではないだろうか。
ユニフォーム姿で舞台に上がったのが問題?
高野連が問題視したのは「ユニフォーム姿で舞台に上がった」ことだ。高野連は、ユニフォームや野球道具の「商業利用」に極めて厳しい基準を設けている。「高校野球用具の使用制限」には、商標に関する規定が細かく記されている。
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