・帽子、アンダーシャツ、ストッキングはそれぞれ外部から見える表面にはいかなる商標、マークもつけてはならない。
・スパイクは、商標、マークを、ベロ革部分に入れる大きさは縦3センチ、横5センチ以内とし、底部には10平方センチ以内の大きさで1箇所表示することができる。
・グローブの商標の大きさは縦4センチ、横7センチ以内。
・ウインドブレーカー(グラウンドコート等)の表面には、いかなる商標、マークもつけてはならない。
・手袋は、色は黒もしくは白とする。商標は手袋の素材と同色のものを表面の1箇所のみに表示することとし、その大きさは7平方センチ以下とする。
ユニフォームから帽子、アンダーシャツ、グローブ、手袋まで、一般のスポーツ用品店で購入したものはそのままでは使えない。すべて「高野連仕様」だ。とりわけ試合で着用するユニフォームや帽子に対しての規制は厳しい。
筆者は以前から、高校の硬式野球部員の幼稚園、保育園の普及活動も取材してきたが、ある県では幼稚園の野球教室に、試合で使用するファーストユニフォーム(主に公式戦で使用するもの)で行って高野連から叱責された高校を目にした。
また、ある県では、プロ野球選手を交えた野球教室で、ユニフォーム姿の野球部員がプロ野球選手の帽子をかぶって写真を撮り、これまた高野連に叱責されている。
今回のダンス同好会への出席も、ジャージやトレーニングウェアだったならば問題視されなかったのではないか。
ユニフォーム姿で有料のイベントの舞台に上がったことが「商業主義」とみなされたのだろう。
とっくに進出している商業主義
ところが、現実の問題として高校野球の現場には、とっくの昔に商業主義が進出している。有力な高校には、メーカーが出入りし、消耗品や用具のサポートをしている。試供品を置いて帰ることも多い。スポーツメーカーにとって高校は重要な営業先だ。また、民放のテレビ中継にはCMも入る。
高野連の管轄ではないかもしれないが、侍ジャパンU18の試合では、高校球児たちがポカリスエット、ミズノなどスポンサー名の入ったユニフォームに袖を通す。
さらに野球以外の高校スポーツには、スポンサーが付き始めている。高校サッカーでは、私学のサッカー部へのスポンサードは当たり前になっていたが、昨年から公立の名門市立船橋高校(千葉県)のユニフォームにマイナビのロゴが入るようになった。
今のスポーツは金がかかる。アマスポーツが企業のスポンサードを受けるのは、時代の趨勢と言ってもよい。オリンピックに向けて、企業とアマスポーツとの関係はますます強まる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら