「ずっと体調悪い人」が知らない調子の整え方 大事なのは自分の「調子の波」を観察すること

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「調子の波」というのがどういうものかわかりづらい、という人は、風邪を引いたときなど、体調を崩したときにこそ、自分の体調の変化(体の内側の変化)を観察してみてください。というのも、調子が悪いときというのは、「波」が大きくなり、観察しやすくなるからです。

熱が上がっていくときのだるさ、しんどさ、関節のこわばりの変化を観察してみる。そうすると病気のときでも、ただ痛みやだるさやしんどさが物質のようにそこにあるのではなくて、たとえばたった5分でも、特にズキンズキンと痛いときと、そうでもなくて少し軽快してぼんやりしているときとが繰り返し訪れていることがわかります。

そうやって自分の身体の状態に生じる「波」を観察することで、だんだんと心身の調子の「波」を感知するセンサーが磨かれていきます。「苦痛は波を描く」ということを知っていると、それだけでかなり楽になります。それは結局、「この苦しさが“ずっと続いたら”どうしよう」という不安がいつのまにか軽減するからです。

まずは「睡眠と運動」から

いくら調子の波を捉えても、どうしても調子が低下してしまうことももちろんあります。そういうときに手をつけるべきことは「睡眠」と「運動」、その次には「栄養」です。この順番は、大半の日本人にとっては、ということです。ここでは詳しく述べませんが、3つ目の栄養については、特に野菜嫌いの人は要注意です。そこだけはチェックしてくださいね。

さて、特に睡眠は何よりも大切です。質のよい睡眠を取ることさえできれば、たいていの不調は解消されてゆくとさえ言えると思います。

では、質のよい睡眠に必要なことは何か。いくつかあるのですが、最近、質のよい睡眠のために重要だということがわかってきたのが「午前中の運動」です。質のよい睡眠のためには、副交感神経優位の状態で睡眠に入ることが必要なのですが、副交感神経を働かせるメラトニンという脳内物質は、運動をした15時間後に分泌されることがわかっています。つまり、夜23時頃に就寝する人は、朝7~8時頃に運動しておけば、就寝しやすくなるというわけです。

また、朝、身体を動かしておくことは、その日1日のパフォーマンスを上げるうえでも、重要なポイントです。朝起きたときに気持ちが沈んでいると、その日1日の仕事のパフォーマンスが低下します。

私自身、朝起きたときに、軽いうつ状態といっていいぐらい、気分がすっかり落ちこんでしまっていることがあります。人生に対する強い空虚感があって、世界が色あせて見えてしまうのです。

そういうときでも、15分ほど体操をして身体を動かしているうちに、いつのまにか何事もなかったかのように気分がよくなり、調子を取り戻すことができることを実感しています。

ヨガでもピラティスでもラジオ体操でも、自分に合ったものでかまいませんが、朝の運動のコツは、いきなり全身を動かすのではなく、「身体の末端」から少しずつ、順を追って動かすことです。そういう意味で、私は足助體操(あすけたいそう)という体操を毎朝やっています。これはとても理にかなっていて、簡単で安全で、体調が整います。たとえば朝目覚めたら、足首を左回し右回し各10回ほど、ゆっくりと回してみてください。そうやって少し身体が温まってきたら、次に違うストレッチ系の動きをやってみればよいと思います。

朝からしっかりと身体を動かし、まとまった時間、質の良い睡眠を取ること。そうすれば、心と身体の調子は確実に上向いて行きます。

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アルファポリスビジネス編集部

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