「ずっと体調悪い人」が知らない調子の整え方 大事なのは自分の「調子の波」を観察すること

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蹲踞の姿勢を取るとき、私たちは身体の重心を背筋に沿って真っすぐ降ろすことでバランスを取っています。心が乱れていると、必ず身体の重心の位置も乱れます。そうするとすぐさま、蹲踞の姿勢は崩れるのです。

つまり、蹲踞の姿勢をどれくらいの時間保てるかということで、そのときの精神状態の良し悪しを、ある程度、測ることができるのです。また、これは逆も成り立ちます。つまり蹲踞の姿勢をしばらく維持することによって、心はある程度落ち着くのです。

焦りと不安が「調子を落とす」ことにつながる

特にデスクワークの方にありがちですが、仕事に夢中になっていると、自分の心身の調子の変化に気づきにくくなります。自分では無理をしているつもりはなくても、疲労をたくさんためて仕事をしている人は少なくありません。

そういう人は、目をつむって、自分の身体を観察してみてください。呼吸が浅くなっていないか、背中がこわばっていないか、肩に力が入りすぎていないか……。肩にどれくらい力が入っているか、胃腸に違和感はないか、姿勢が崩れていないか……。特に身体を観察してみて驚くのは、体の中にはいつもどこかにかすかではありますが、「痛み」や「痺れ」や「気持ち悪さ」というものがあり、それが絶えず現れたり消えたりしていることです。

初めはあまりコツがつかめないかもしれません。でも何度か試みているうちに、あるときフッと、体の中の動きを捉えられるようになるでしょう。

焦りや不安で精神状態が悪いときというのは、必ず身体のどこかに、その兆候が出ています。そして、その兆候を、実際に症状が出る前に感じ取れるようになると、不思議なことに、毎日ほんの5分でも目をつむって観察しているだけで、しだいに身体の調子が崩れにくくなり、好不調のブレがなくなり、仕事のパフォーマンスが底上げされてくるんです。

先ほど述べたように、自分の身体を観察すること自体、身体の調子を整える力強い作用があります。しかしそれだけではありません。もう1つ、仕事のパーフォマンスを確実に上げる要因があります。それは、自分の心身の調子をモニタリングすることによって「不安」が軽減されるからです。

調子の悪いときというのは、私たちは「調子の悪い自分」を「自分の実力」だと思い込んでしまいがちです。

「こんな簡単なミスばかりをしている自分は、仕事ができないダメな人間ではないか」

「この仕事には向いていないんじゃないか」

実際、ミスを繰り返したり、仕事の成果も上がっていなければ、こういう不安にとらわれるのも無理はありません。しかしながら、この「不安」こそが、実は「調子を落とす」最大の原因なのです。

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