不調のサイン「無視する人」のヤバ過ぎる問題

命を削った先にあるものは「後悔」しかない

不調のサインを無視すると、多くの問題があります。(写真:プラナ / PIXTA)
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

「不調時に無理をする」のは問題だ

いつもと同じようにやっているはずなのに、どういうわけか、あまり作業がはかどらない。営業先に行っても、なぜか会話が弾まない。いくら頭をひねっても、なかなかいいアイデアが降りてこない。何をやっても集中できない……。

これといってはっきりとした理由もないのに「なんだか調子が悪い」ときというのは、誰にでもあります。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

そういうとき、日本人の多くは仕事がはかどらない分、いつもよりも残業したり、少しでも調子が悪い分を帳消しにしようと踏ん張りがちです。風邪を引いて熱があるなど、明らかに病気であるときならともかく、「なんとなく調子が悪い」というあやふやな理由で休むことはできない。むしろ、調子を落とした分を「根性」で穴埋めしたい……。生真面目な気質の日本の会社員の場合、そう考える人が圧倒的に多いと思います。

ただ、このように「不調時に無理して頑張る」ことには、多くの問題があります。

そもそも、調子が悪いときにいくらがんばっても、さほど、よい成果は出ないものです。どれほど自分にムチを入れても、妙案は出ず、ミスは増え、効率は上がらない。そして、そういう状態のなかでがんばり続けることによって生じる最大の問題は、人間の感覚が、どんどんレベルダウンしてしまうということです。

最初はちょっとした不調でも、無理をしているうちに感覚が鈍ってきます。自分が疲れていること、イライラしていること、不調に陥っていること自体が、わからなくなってきます。そうやって、自分の心身の調子を観察する余裕がなくなっていくと、結果的に、立ち直れないぐらい、心身の調子を崩してしまうことにもつながるのです。

「調子が悪いときに無理をしてがんばる」ということは、百害あって一理なし、なのです。

「そんな甘いことを言っていては、社員の力が伸びない」「自分が休むことで、同僚や得意先に迷惑をかけることはできない」

そうおっしゃる方の気持ちも、もちろんわかります。

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