幸せの国ブータンでは障害者も「幸せ」なのか 彼ら彼女らは過酷な環境に置かれている

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――テンジンさんはどうですか?

テンジン(DPAB):私自身は障害当事者ではありませんが、先ほどから話に出ているように教育に力を入れてほしいと感じています。障害があってもきちんと教育を受けられるようにしてほしい。特に地方は遅れているので、地方の教育環境を整えることが重点課題だと思います。

社会の一員だという意識を持ちたい

――教育が最も大事であると。

テンジン:やはり、機会の平等というものが、まずは重要だと思っています。そして社会への帰属意識。障害者にも自分が社会の一員だという意識を持てるようにしてもらいたいと思います。

――ブータンの障害者は、あまり「社会の一員である」という意識を持てていない、どちらかというと社会から切り離されているといった感覚ですか?

テンジン:社会からは隔離されているように感じます。

――そのほか、何かブータンだからこその大変さといったことはありますか?

キンザン:いま私が着ているのはブータンの男性が着用する“ゴ”という民族衣装なのですが、左手に障害があると、これを着るのが大変ですね。必死に練習して、いまでは何とか1人で着られるようになりましたが(笑)。

――それはブータン国民として死活問題ですね(笑)。

お茶目なキンザン氏と。彼の明るさが唯一の救いだった(写真:筆者提供)

唯一の障害当事者であるキンザンさんがとても明るい人だったことがわずかな救いだったが、約90分間のインタビューを通して聞こえてくるのは、ブータンの障害者はかなり過酷な環境に置かれているということだった。なかには深刻な人権侵害と思われるようなケースもあり、聞いていて胸が苦しくなった。

「 “幸せの国”ブータンでは、障害者も幸せなのか?」

そんなことをテーマに聞き取り調査を行ったが、これだけで結論を出すにはさすがに早計である。私は、現地の人に紹介を受け、障害を抱えて暮らす20歳の青年のもとを訪ねることとした。

――後編へ続く。

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