幸せの国ブータンでは障害者も「幸せ」なのか 彼ら彼女らは過酷な環境に置かれている

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障害児教育のサポートを行う「Ability Bhutan Society」職員のビシュヌ氏(写真:筆者提供)

――ABSでは、どんな活動をしているのですか?

ビシュヌ:主に3つの活動を柱としています。ひとつは、学校に通うことができていない障害児一人ひとりに適したプログラムを提供しています。次に、親御さんに正しい情報を伝えたり、精神的なケアを行ったりしています。3つ目としては学校にも足を運び、先生方にも障害児を教育する際のアドバイスなどをしています。

――ABSの活動はブータン全土をカバーしているのでしょうか? また、ABS以外にも同様の活動をしている団体などはありますか?

ビシュヌ:もちろん、地方にも目を向けていかなければならないとは思っていますが、現在はティンプーでの活動が中心となっています。また、すべてを把握しているわけではありませんが、地方でこのような活動をしている団体はおそらくないのではないかと。

――特別支援学校ではなく、地域の学校で健常児と同じように教育を受けている障害児もいますか?

ビシュヌ:あまり多いとは言えませんが、そういう子もいます。

――周囲に受け入れられず、いじめを受けてしまうといったことも起こるのでしょうか?

ビシュヌ:最初はクラスメートも戸惑いを見せるようですが、それが深刻ないじめにまで発展するという報告は聞いていません。ブータンでは一人ひとりが目の前の相手を尊重しているので、障害児に限らず、いじめという現象自体があまり起こらないのです。

――障害児にいじめという被害が及びにくい中で、なぜ多くの障害児は地域の学校に通うことができないのでしょうか?

ビシュヌ:ひとつには学校の設備面の問題があります。もうひとつは、やはり教員の指導力ですね。障害のある子どもをどのように指導したらいいのかというノウハウもないですし、心理面での抵抗もあるようです。

――子どもたち同士よりも大人の問題が大きい。

ビシュヌ:そうですね。ですから、私たちABSは放課後になると学校にも足を運んで、教員たちに対するアドバイスなどを行っているのです。

教育を受けることさえできていない障害児がいる現状

日本における障害児教育の課題は、どこまでインクルーシブ教育を実現することができるのかという点にあるのに対して、ブータンでは教育を受けることさえできていない障害児もまだまだ多くいるという現状であった。

では、障害のある大人たちは、社会的にどのような状況に置かれているのだろうか。

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