序列激変?立教大が「脱MARCH」宣言した理由 「RJK」を掲げる真意とは
「早慶」「MARCH」「関関同立」といった聞き慣れた、主に偏差値による大学のグループ分けに変化が起きている。立教大の郭洋春総長が週刊誌で公表した「RJK」宣言は、大きな反響を呼んだ。誌面で知ることとなった教職員の間にはどよめきが起きた。
立教大、上智大、慶應大の3校のカテゴリーを目指すというのだ。なるほど、女子高生(JK)に人気がある立教大だけに、語呂合わせはしっくりくる。
この宣言について、立教大の長野香・広報課長はこう説明する。
「偏差値によるカテゴリーであるMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の中にいては、独自の特色を打ち出しても、埋もれてしまう危機感を持っています。受験生や社会から選ばれる大学を目指すことで、脱MARCH、RJKのカテゴリーを目指すこととなりました」
なぜRJKなのか。
「それぞれに確固とした理念や建学の精神、それを体現するこだわりが強く、カラーが似ている大学と考えています」(長野課長)
慶應大は文理融合の総合政策学部や環境情報学部を誕生させ、上智大はCLIL(クリル)による英語学習を導入。立教大は大学設置基準の大綱化の際に、不要とまで言われたリベラルアーツ(一般教養)をあえて強化し、一石を投じた。
何よりも、3大学が国際化に力を入れているところに注目している。立教大は10年ほど前から1クラス8人の英語授業を展開し、全学部の1年生に週3コマの英語の授業が課される。
「現状では慶應大や上智大のほうが魅力のある大学だと思います。まずは2大学を目指し、なおかつアジア、世界に打って出ていくグローバル的な段階を踏んでいきたいと考えています」(同)
立教大が風穴を開けているといえば、経営学部と異文化コミュニケーション学部の存在だろう。
「リーダーシップ教育」を国内で初めて採り入れた経営学部は、企業や高校からも評価され、入試の難易度は上昇し、グローバルな環境が評価される異文化コミュニケーション学部を含め、慶應大や上智大、早稲田大に合格する学生らが入学してきているという。
「海外留学の奨学金は、基準を満たせば全員に支給します。学生たちが『立教大はやる気があれば誰でも主役になれる』と口にしてくれます。きめの細かさには自信があります」(和田務・入学センター課長補佐)
2024年に創立150周年を迎える立教大。「RIKKYO VISION2024 プロジェクト」のバージョンアップを進め、「指標の数値化」を目指す。そこにはもちろん、RJKの定着が加わるであろう。
(文:『週刊朝日』庄村敦子、吉崎洋夫)
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