「夏は受験の天王山」がフランスで論外な理由 運動会も入学式もないが、受験戦争もない
大学受験を控えた子どもがいたある夏のこと。フランス人の知人女性に「夏休みはどんな予定があるのですか?」と尋ねられた。
「どこにも行きません。子どもが受験生なので」と答えると、彼女は心底驚いたという顔をした。そして、「あなたは厳しい母親ですね」と言う。
「厳しい母親」と言われて、意味がわからなかった。子どもが受験勉強に励んでいるのに、自分だけ旅行に出掛けようという気持ちにならない。受験生に留守中の家事をさせるのも負担になると思うからなのだが。
旅行も我慢=子どもへのプレッシャー?
彼女が言葉を続ける。
「母親の自分はバカンスを我慢して、子どもを応援している。あなたはそうして、子どもに無言のプレッシャーを与えているのではないかしら」
「そういうつもりはないけれど……」と答えつつ、知人の指摘を新鮮に感じた。フランス人は「バカンスのために働く」と言われる。そのバカンスをあきらめて子どもの受験をサポートする母親は、尋常でないとフランス人の目には映るのだろうか。
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