プリウスが「PHV」ルックにならなかった理由 デザイン不評だった4代目はどう変わったか

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マイナーチェンジの噂が出ると、まずは2017年2月に発表されたプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」に近いデザインになるのではないかという予想が立った。しかし筆者はその線はないと思っていた。

プリウスPHVは3代目となる先代プリウスをベースとして誕生した。このときはフロントバンパーやリアパネルのシルバーのモール、同じシルバーのドアハンドルなどで特徴付けた程度で、販売成績はいま一つだった。トヨタはPHVとしてのアピール度が不足していると感じ、現行型でHVとは別物のフロント/リアまわりを与えたのだろう。

PHVは重増量に伴いフロントやリアをリデザイン

しかもこの造形には機能的な理由もあった。現行プリウスPHVは、電動走行可能距離を大幅に伸ばした結果、大容量バッテリーを搭載することになり、リアのオーバーハングを80mm延長した。当然ながら車両重量も増加。カーボンファイバー製リアゲートなどを採用したものの、増量を抑えることはできず、フロントも重量増に見合った衝突安全性能を確保すべく25mm延長したのだ。

つまりプリウスPHVのフロント/リアまわりをプリウスにそのまま導入することは不可能に近いのである。

それだけにどういうデザインで出てくるか興味があったが、発表された写真を見ると、限られた条件の中で可能な限り万人向けを狙ってきたという印象だった。

マイナーチェンジでは多くの場合、キャビンまわりやボンネット、フェンダーはそのままで、変えることができるのはフロントマスク・リアパネル・バンパーのみとなる。今回のプリウスのマイナーチェンジもそうなっているようだ。

その中で、ヘッドランプは下に伸びる鋭角的な部分をカットして、下端の線を水平に近づけ、やはり鋭角的なランプを入れていたバンパー両端は縦長のアクセントを入れるにとどめた。水平・垂直は安定・安心をもたらす要素のひとつであり、とくに木造家屋で育った日本人はそう感じる人が多い。そんな嗜好性に配慮した造形に思えた。

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