認知症予防にオレンジジュースが効く可能性 毎日飲むとリスクが50%下がる研究結果も

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一方で果物を最も多く食べたグループは1日に3皿分(この場合、1皿は果物1カップまたはフルーツジュース半カップ分)、最も少なかったグループは1/2皿分だった。

これが年齢を経た時に脳の健康にどれほど影響しているかを調べるために、平均年齢が73歳に達した時に、前述のテストをそれぞれ行った。

野菜やオレンジジュースは効果あり、ただし果糖に注意

テストの結果、認知機能が衰えておりテストの結果が悪かった、という人の割合は、野菜を最も多く食べたグループでは6.6%だった一方で、野菜の摂取量が最も少なかったグループでは7.9%だった。また、野菜を最も多く食べたグループは、最も少なかったグループと比べ思考能力が衰えるリスクが34%低かった。

果物に関しては、摂取量が最も多かったグループと少なかったグループのテスト結果に違いは確かにあったものの、そこまで大きなものではなかったという。

ただしオレンジジュースの摂取に関しては、果物とは異なり、違いが明白に表れたようだ。小さめのコップ1杯を毎日飲んでいる人の中で、認知機能の衰えを示した人の割合は6.9%だった。一方でオレンジ・ジュースを飲む頻度がひと月に1度以下の人は、認知機能の衰えを示した人の割合は8.4%に達した。また、オレンジジュースを毎日飲む人は、飲む量がひと月に1杯以下の人と比べ思考能力の衰える可能性が47%も低かった。

米フロリダ州にあるマイアミ大学で研究を行うハンナ・ガーデナー博士(今回の調査には参加していない)はデイリーメールに対し、野菜や果物は抗酸化物質を含むビタミンや栄養素が豊富なため脳を守ってくれる可能性がある、と説明。不要な分子の蓄積から脳を守ってくれ、脳への健康的な血流を維持すると話したという。

ただしデイリーメールによると、果物のジュースは高濃度の果糖によりカロリーが高いことが多いため、1日に摂取するのは4〜6オンス(118.2〜177.4ミリリットル)にとどめておいた方がいい、とユアン氏はアドバイスしている。

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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