大学の授業には、厳正に評価するものから、ほとんどの学生が高評価を受けるものまで、評価の厳しさに大きな差があります。また、多くの学生はマジメに学業に取り組んでいるわけではないので、成績がよいことが必ずしも地頭のよさの証明になるわけではありません。
しかし、大学の成績表を「学業における履歴書」と考えて、面接を進めていく題材やツールとして活用するのはとても有効で、企業の社会的責任とも言えることです。
成績表を使った面接では、以下のような質問が有効だと考えています。
授業の選択基準と出席状況を聞く
「どのような考えで授業を選択しましたか?」
「それらの授業にはどの程度、出席しましたか?」
まずは、授業の選択基準と出席状況です。大学の授業は、多くの学生にとってやりたいことではなく、やらなくてはいけないことです。なんといっても年間100万円程度の対価を払って受けているもので、授業料は多くの場合、親が支払っているはずです。もっと言えば、学生の本分はあくまで「学ぶ」ことであるのは、多くの方が納得してくれるでしょう。
学生が授業をどのような視点でとらえているのかは、授業の選択の仕方やその出席状況にかならず現れてきます。
9割程度は楽な授業を選択していたという学生もいれば、授業料を親が払っていることを考えて、半分程度は自分の身になるような授業を選択したという学生もいます。
また、なるべく授業を休んだという人もいれば、自分が面白いと思う授業は出たという人、教員が真剣に指導をする授業は出たという人、すべての授業になるべく出たという人など、出席状況にもその人の個性が表れます。
ご注意いただきたいのは、ある態度が別の態度よりも絶対によい、という話ではないことです。「くそマジメにすべての授業に力を入れた学生より、将来のためになる授業に集中し、それ以外は効率的に単位を取った学生を採用したい」と思う企業があっても、何の不思議もありません。
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