理由は、エントリーシートの限界にあります。エントリーシートに書かれている内容の多くは、自分が興味を持って入ったサークルやアルバイトのことなので、エントリーシートからは、「興味を持てないときにどのように行動するか」を読み取るのは非常に難しいのです。
そこで、成績表を基に「興味を持てなかったが力を入れた授業の内容と取り組み方」について聞くことで、興味を持てない場面において、どのようなことがあると「力を入れなくてはならない」と思うのかがわかります。さらに、そのような場面で実際にどのような行動をとるのかも判断できます。
興味のある授業にしか力を入れなかった人もいるでしょう。ゼミの選抜に大きく影響する授業だけは、興味を持てなくても勉強したという人もいるでしょう。
さらに、「力を入れた」と言っているのに、成績がよくなかったり、力を入れたはずの授業の内容をうまく説明できない人もいるでしょう。こういった人は、興味を持てないときの取り組み方に問題があるかもしれない、と考えることもできます。
得意な科目の傾向について聞く
「成績表全体を通して、自分ではどのような科目が得意だと思いますか?」
大学の授業で求められる知的能力には、さまざまなものがあります。記憶力が重要な科目もあれば、論理を積み上げていくことが重要な科目もあります。人間を理解することが重要なものもあれば、社会のことを知っていることが重要な科目もあります。
本人がどのような知的能力を得意だと感じているかを知れば、その人がどのような職務に向いているのかを理解することができます。また、「論理的に考える科目が得意だ」と言っているのに「論理学」の成績が悪いのであれば、さらにその点を突っ込んで聞くことができます。
今回ご説明したことからおわかりいただけるとおり、成績の良しあしだけから何かを判断するのではありません。あくまで、エントリーシートや履歴書と同じように、成績表を面接のツールとして利用するのです。
実際の面接は、ご紹介した質問から始め、学生の回答によってより深めて聞いていくことが必要です。この点は、エントリーシートを利用した面接とまったく同じだと考えていただけばいいでしょう。
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