大卒22歳で「人生決まらない」時代に生きる術 一生安泰な企業はもはやないし逆転もできる
来る日も来る日も、実態をつかみにくい漠然とした不安を抱えながら仕事に臨んでいるビジネスパーソンも少なくないことだろう。なかでも若い世代の不安感は、想像以上に大きなものかもしれない。なにしろ通勤途中にスマホをチェックすれば、仕事や働き方に関する、さまざまなネガティブワードが飛び込んでくる時代なのだから。
『君たちはどう働きますか―不安の時代に効く100の処方箋』(西本甲介著、東洋経済新報社)の著者も、本書の冒頭において現代を「不安の時代」だと表現している。この時代を生きるほとんどの人たちが、将来に対して漠たる不安を抱いているのではないか、とも。
それは、かつての日本社会ではありえないことだった。言うまでもなく、企業の大半が終身雇用を原則としていたため、社員に不安を感じさせることはなかったのである。
とはいえ、振り返ってみればそんな時代が過去のものになってから、もうずいぶんと時間が経つ。
希望が失われた時代にも希望はある
1991年のバブル崩壊以降、リストラという名の人員削減は、中小企業のみならず大企業においても珍しいことではなくなった。2008年のリーマンショックの際にも多くの企業が倒産し、会社の存続のため大幅な人員削減を実施した。契約社員や非正規社員という雇用形態が常態化し、長期の安定した雇用を保証されないまま、不安定な立場で働く人はいまや勤労者の4割近く。しかもその数は、年々増加の傾向にある。
それだけではない。AI(人工知能)技術とロボット技術の発展により、近い将来には機械が人間の仕事を代替するようになり、多くの人が職を失うという予測もある。この問題に関しては確実なものが見えにくい面もあるだけに、よけい不安感は募るだろう。
そもそも大企業に勤めていたとしても、必ずしも安泰だというわけではないのだ。そして、規模の小さな会社に勤める人の不安はさらに大きい。つまり、どう転がっても不安を感じずに生きていくことが難しい時代なのだ。
しかし重要なポイントは、著者が決して未来を悲観しているわけではないことである。それどころか、こんな時代にも希望はあるとまで明言している。その根拠となっているのは、ある意味で特殊な業態を持つ企業を牽引してきた実績である。
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