大卒22歳で「人生決まらない」時代に生きる術 一生安泰な企業はもはやないし逆転もできる

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それは、リンダ・グラットンがベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・ シフト)』に込めたメッセージとも、無理なくリンクすることだと言えるのではないだろうか?

転職することが当然の時代が訪れる

つまり、こういうことです。今の新卒社員は定年まで少なくとも50年近くは働かなくてはならないのに、今年できたばかりの会社でさえ30年後にはなくなっている可能性が高い。創業10年の会社なら残された時間は20年かもしれません。私たちはそういう時代に生きているのです。(23ページより)

その昔、金融機関や大手メーカーなどは、日本の経済成長を支える頼もしい存在であり、絶対に潰れることなどないと誰もが信じて疑わなかった。しかし、それもいまや昔話であることは、そうした規模の大企業が倒産や経営危機に陥っていることからも明らかだ。

誰もが知っている企業に就職できたからといって、あるいは名のある会社で働いているからといって、もはや安泰な人生は保証されていないということ。

代わりに訪れるのは、リタイアするまでに何度か転職することが当たり前の社会だ。そのため、働き続けていくためには、まずそのことを自覚しなければならないと著者は強調する。

とはいえ、ものは考えようである。大企業に就職した人にとってはそうかもしれないが、逆に、もし新卒で不本意な就職をしてしまったという人、あるいは、就職活動中だが希望の会社には入れそうもないと憂鬱になっている人にとっては、逆にチャンスだと考えることもできるのだ。

運良く希望の会社に入れたとしても、不本意な就職をしてしまったとしても、これからの時代、その会社で定年を迎える可能性は極めて低いと考えられるからである。

そのような理由から著者は、これからの時代は、自分の働き方次第で入社を希望する会社に転職できるチャンスがいくらでもあると主張する。そして、ここで、この項につけられた「22歳で人生は決まらない」というタイトルに価値が生まれる。

「22歳で人生は決まらない」と言うのには、このように2つの意味があります。新卒で希望通りの会社に就職できたとしても、それで人生が安泰なわけではありません。一方、不本意な就職をしたとしても逆転のチャンスはいくらでもやってくるのです。(24ページより)
次ページ希望に沿わない就職であったとしても
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