大卒22歳で「人生決まらない」時代に生きる術 一生安泰な企業はもはやないし逆転もできる
つまりメイテックのエンジニアたちは、メイテックの社員であるものの、実際に働いているのは派遣先の企業なのだ。派遣法すらなかった時代から、派遣社員として働きながら、プロのエンジニアとして成長してきた人たちなのである。
力が認められなければ契約を打ち切られることになるのだから、つねに緊張感と背中合わせである。また、3~4年のローテーションで職場を転々とすることになるため、数年ごとに転職を繰り返しているようなものでもある。しかし、だからこそ、ちょっとやそっとでは倒れることのない強さが身に付くのかもしれない。
一般の企業にはあまりないケースだが、ある意味において、そのあり方自体が一般的な業態に縛られたままの企業に対するメッセージであると考えることもできる。いずれにしても、そのように「企業の枠を超えて」働き続けている彼らのプロフェッショナルとしての生き方には、“働き続けるためのヒント”が数えきれないほどあるのだと著者は主張するのだ。
そこで本書では、著者自身がメイテックのエンジニアたちから学んだ「企業の枠を超えて生涯働き続ける」ためのヒントを伝えているのである。ターゲットは、これから労働市場に出ていこうとしている人たち、会社という組織のなかで成長を願っている人たち、転職を考えている方々、そして仕事人生の終盤を迎えた人々。
いわば、なんらかの形で労働に携わる、すべての人に対するメッセージとなっているのである。
新入社員への、毎年変わらぬメッセージ
全5章で構成される本書の特徴は、章内の各項目が見開きを含め4~5ページでコンパクトにまとめられている点だ。しかも、それぞれ項目の冒頭に3つの要点がリストアップされているので、読者はそこに書かれていることを即座に確認できる。
つまり、必ずしも最初から順番に読まなければならないわけではなく、興味を引かれたところから順に読み始めることも可能なのだ。ただし、もし最初から読み始めたとしたら、読み飛ばして進もうという気にはならないだろうと思う。理由はいたってシンプル。書かれていること一つひとつに、痛快なまでの説得力があるからだ。だから、1項目を読み終えたら、すぐに「次」が読みたくなるのである。
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