熱い魂がなければ、ハーバード生にあらず?

忘れかけた夢を取り戻す方法

世界中からハーバードビジネススクールにやってくる生徒たちの「志」とは?

幼い頃の私の夢は、世界を飛び回るパイロットになることだった。小学生のときは、世界中の子供たちに希望を与えるサッカー選手になりたかった。高校生のときは、世界を股にかけるビジネスマンにあこがれた。就職する頃には、母国である日本とトルコを結び付ける事業をいずれ経営することを目指した。

しかし、就職し日々に追われる生活をしているうちに、以前ほど夢を思わなくなった。正月には今年の抱負を立てる。5年後のキャリアビジョンも考える。親しい友人と飲みに行くと、お互いの夢を語ったりする。しかし、どうもそこには魂がこもっていないような気がしていた。子供のときのワクワク感がないのだ。

そんな私だったから、ハーバードビジネススクール(HBS)に足を踏み入れたときの驚きは大きかった。そこは、目をキラキラさせ、本気で世界を変えようと思っている人たちであふれていた。しかも彼らは、自分と同年代。みんなバカでかい夢を掲げて、それを達成しようと一生懸命取り組んでいるのだった。

今回の記事は、クラスメートの夢をご紹介するとともに、志を育むHBSの役割に迫りたい。

バングラデシュ発の世界ブランドを作る

クラスメートのアシフは、22歳のとき、IPO後まだ間もないGoogleに就職した。仕事は楽しかったが、しだいに自国バングラデシュのことを思うようになった。25歳のときにバングラデシュに戻り、兄とともに縫製工場を立ち上げた。国際機関や外資系ファンドから投資を受け、徐々に工場を改善させ、事業を拡大させた。

母国バングラデシュを担ぐ意気込みで学びに来た、クラスメートのアシフ

さらなる事業拡大を目指し、経営を学ぶため、29歳でHBSに入学。夢は、バングラデシュ発の世界ブランドを作ることだ。

自分の会社を成長させることで、将来的にはソニーやサムスンのような世界的企業をバングラデシュから生み出したい。それが、バングラデシュ経済を発展させ、人々の生活向上につながると信じている。

HBSでは、経営手法だけでなく、リーダー論や倫理観についても学ぶ。今年4月、老朽化したバングラデシュの縫製工場が崩壊し、多くの犠牲者を生んだ事故があった。彼の工場は被害に遭わなかったが、老朽化していたため同様のリスクがあった。

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