何をしても「自分を卑下してしまう人」の盲点

「ありのままの自分」では社会に適応できない

ただ、そういった現実をすべて踏まえたうえで、「いったん、社会に適応できているかどうかということを、忘れてみませんか?」とアドバイスしたくなるくらい、「社会に適応することに疲れ果てた人」がたくさんいらっしゃる、というのも事実なのです。

日本社会ではあまりにも「社会に適応せよ」「社会に所属せよ」という要請や、細々とした「基準」に自分を合わせなければいけないというプレッシャーが強い。そのことによって疲弊し、才能や能力をやせ細らせ、自信を失っている人があまりにも多いのです。

自分を変える挑戦の多くは「逆効果」

「社会に適応しなければいけない」というプレッシャーを受けたとき、私たちはほとんど自動的に、自分自身を「社会が求める形」に整形しなければ、と考えます。

暗くて、引っ込み思案な自分は、いつも会議や打ち合わせで勇気を出して発言することができない。もっと開放的で、社交的な自分にならなくちゃ……。

僕はいつも、飽きっぽくて根気強く物事に取り組めない。もっと地道な努力を続けられる自分にならないと……。

「失敗したらどうしよう」というネガティブな発想ばかりな私は、もっと勇猛で、チャレンジ精神にあふれた自分に生まれ変わらなくては……。

残念ながら、こうした「もともとの自分」を生まれ変わらせようとするチャレンジは、往々にして、その人の自信を失わせる結果につながりがちです。というのも、持って生まれた資質を削ったり、変形させたりすることは、どうしても「もともとの自分」を否定することになってしまうからです。これでは、自分に自信が持てなくなるのも当然です。

しかし、だからといって「ありのままの自分」や「もともとの自分」のままでいいのかと考えると、おそらく、多くの人が「否」とおっしゃることでしょう。

実際問題、「ありのままの自分」のままでは、私たちは社会に適応することができません。ありのままの自分というのは、他人に嫉妬したり、いらいらしたり、自己中心的になったり、面倒くさがったりという「自分」です。私たちは一皮むけば、誰もが「そのまま」では社会に適応できない「自分」を抱えています。ある意味では、私たちの本性は多かれ少なかれ「社会不適合者」なのです。

ではどうすればいいのでしょうか? 素の自分のままでは、仕事で成果を上げたり、同僚と仲良く、協調することができない。しかし一方で、ありのままの自分を無理やり変えてしまえば、自己否定につながってしまう。この矛盾を、どうすればいいのか。

実は、この矛盾を超えていく第一歩が「ありのままの自分は、(実は)社会不適合者である」という現実を認めることです。実は、「自分に自信がある人」の中には、これができている人が少なくないんです。

次ページ自信を手にするための2つのステップ
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スクープ! 積水ハウス地面師事件<br>「封印された報告書」の全貌

「なぜ積水はだまされたのか」。2年前の地面師グループによる大型詐欺事件。謎を解く同社の内部資料を本誌が独自に入手した。だまされた積水が調査報告書の公開を拒む理由は。取引を承認した役員が現在も要職にある“闇”をいま明かす。