決断遅い日本が、ミャンマーで巻き返すには? ミャンマー若手起業家、 チョーミンティン氏に聞く

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日本の対応は遅すぎる

彼らが日本の対応について常々言うのは、「対応が遅い」ということです。今、ヤンゴン南方にあるティラワ港を大型船舶が入れるように整備し、隣接して工業団地を造成して経済特区を作る巨大プロジェクトが動いています。

そのプロジェクトが浮上した当時、ミャンマーとしては2013年中に着工したいと考えていました。これに対して、日本企業はほぼ1年先の、2014年中の着工なら可能と回答してきました。このスピード感の差が問題なのです。他にも、ミャンマーの新空港運営は韓国企業が、そして携帯電話関連事業は中東のテレコム企業が、それぞれ受注しました。

――たとえば「韓国企業は石橋を叩いて壊れる前に渡り切る。日本企業は、石橋を叩いているうちに壊してしまい、結局渡れない」。そんな話がありますね。

そうですね。日本企業の場合、どうしても決定までに時間がかかるという問題があって、それがミャンマーでのビジネスが今一歩、うまく進まない原因のひとつになっていると思います。

ミャンマー経済は今、ものすごい勢いで変貌を遂げています。そのスピード感に、日本企業が乗り切れていない。手順を踏んでいるうちに、どんどん状況が変化してしまう。たとえば今、ミャンマーは深刻なホテル不足です。日本のホテルチェーンが視察に訪れているのですが、彼らが視察を終えて日本に戻り、そこで会議を繰り返して進出するかどうかを決断するまでに、物すごい時間がかかる。せめて視察から2か月後には、進出を決断するくらいのスピード感が必要です。

――そこまで国内開発を急いでいる理由は何なのでしょうか。

ミャンマーでは2015年に総選挙が行われる予定です。テインセイン大統領になってからの初の選挙です。ここで彼の民主化の成果が問われるわけです。したがって、それまでに「誰の目から見ても経済が発展した」という印象を強くしておきたいのでしょう。

現政権が国を必死に変えようとしているのは事実ですが、民衆は結果を見ます。だから、外資の導入をはじめとして、ミャンマー経済が発展していくことを実感できる成果を、民衆に見せなければなりません。それが失敗に終わると、テインセイン大統領政権は敗北する恐れがあります。だから、ミャンマーとしては少しでも早く進出してくれる、積極性を持った企業と組みたいのです。

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