38歳・名古屋の残留請負人「玉田圭司」の進化 ベテランになってわかった「考える」の重要性

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「J1残留とかじゃなくて、今は次の試合に勝つことしか考えてない。ウチの場合は対戦相手はどこでも関係なくて、自分たちのスタイルができるかどうかが何よりも大事。今はチーム全体としてのまとまった攻撃と守備に取り組んでいるけど、それができれば必ず勝てるという自信はあります。

僕は名古屋に長くいるけど、クラブとしてのポテンシャルも、選手の個性もすごくあると感じます。だからこそ、スタイルを確立させることが大事。鹿島だったら『粘り強い守備』とか『セットプレーでしぶとく1点取って勝つ』といったイメージがあるけど、名古屋にはまだそれがない気がする。

監督が代わったから、そのスタイルをやめたりするんじゃなくて、確固たる哲学を持たないといけない。それが『常勝になるための条件』なのかなと思います」

名古屋で自身のプロサッカー選手キャリアの半分以上を過ごしたレジェンドの言葉はやはり重い。本人は普段、表立って意見を口にするタイプではないが、強い責任と自覚は胸に秘めている。それをJ1今季ラストマッチで必ず出し尽くしてくれるはずだ。

湘南ベルマーレとの大一番は目前に

「日本代表も同じで、そろそろ日本のスタイルを確立させるべき時期に来ている。僕がいた8年前に岡田(武史=FC今治代表)元監督がやった強固な守備組織も今につながっているし、ロシアで16強入りしたチームはもっと攻撃的な戦いができたと思う。

正直、自分が最後に出た南アのパラグアイ戦(プレトリア)なんかは大会でいちばん平凡な試合で、見ていて面白くなかったと思うからね(苦笑)。そこからは確実に進歩はしてると思うから、もっと先まで行ける。『日本のサッカーはこれだ』っていうのを見せつける時代に入ってほしいと強く思います」

Jリーグや日本代表の長い間の変化をピッチ上で感じ取りながら、自分自身を柔軟に変化させ、進化させ続けてきた玉田圭司。

「まだ違いを見せる自信はある」と言い切る38歳のアタッカーがどの領域まで達するのか。そこを楽しみにしつつ、まずは湘南とのJ1生き残りを懸けた大一番を見守りたい。

(文中敬称略)

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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