人事が明かす「評価できる、できない」自己PR エピソードを盛ったPRはすぐにバレる

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ただし「副・サブリーダーとしての主体性と再現性」は求めます。「副・サブ」としての役割をどう捉え、自分で何を考え行動し、どんな成果を出したのか、その成果は当たり前のレベルのことなのか、それともその人だからこそ産み出せた成果なのか、といったことを見ます。

当然、私以外にも、「副・サブ話」を前向きに捉えてくれる人事の方はたくさんいます。ただしそれは、選考する人数がそれほど多くない人事や、1人の選考に相応の時間をかけられる会社の人事なら、ある程度できると感じています。一方、人気企業で選考人数が多く、面接時間も少ない会社や、1人の選考に時間をかけることに理解を示さない会社の人事は、そこまでていねいに話を拾うことは難しいと思っています。

また、どんなに自分で考えて行動しているとしても、その結果や成果であまりにもレベルが低いと、かえって評価を落とすことも多いです。「すごいね」「面白いね」と、他人から言ってもらえそうなエピソードを拾い出すことが大事です。それがなければ、今からすぐにでも、何か成果を実際に作りに動きだすことをしたほうがよい、とは思います。

「今からなんて無理」と思うかもしれませんが、いい就活をする学生は「足りないことに気づいたら、すぐに動くよね!」というのが、人事担当者の間での共通認識です。簡単に諦めるよりも、何かできることがないかを少し考えてみるだけでも、してみてはいかがでしょうか。

自己PRと他人の見方が違うのはマイナス評価

2. 自己分析に「他己分析」が加わっているか

「自己分析が、本当に自分だけの分析で終わっている人って、もったいない」。これも人事担当者の間でよく出てくる話です。

自己分析が自分の中だけで終わっている人は、自分視点だけで考えていて、他人にどう見られているかという要素がいっさい入っていません。そのため、自己PRしている内容と、人事から見えるその人の印象が全く噛み合わず、ものすごく違和感を覚えます。そこから、その人に対する信用度が崩れたり、その人とのコミュニケーションの取り方に難が出たりして、選考を通過する確率はグッと下がってしまいます。

自分のことは、自分がいちばん分かっているようで、実はそうでもありません。近くで見ている他人のほうが、自分のことをわかっていることはよくあります。自分のことは意外と見えていないものです。私自身もいまだ、よくも悪くも、他人から気づかされる自分に出会います。

自分で認識している自分も大事ですが、就職活動で選考をするのは「他人」だということを忘れないでほしいのです。自分で大切にしている価値観、将来のビジョン、好きなことは、当然、その人自身が一番わかっていることでしょう。しかし、強みや得意なこと、弱みや苦手、キャラクターや役回りは、実は他人のほうがよくわかっていることが多々あります。

他人の視点を入れずに自己PRをする人は、強みを過大評価してしまったり、逆に十分強みなのに過小評価、もしくは強みにまったく気づかなかったりする場合があります。そして、気づけば直せる弱みなのに、その弱みを修正できず、自己PRをして終わってしまう場合もあります。

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