小泉進次郎氏らは「落語議連」で何を狙うのか

「オチ」は困るが、議論に「ひねり」がほしい?

しかし落語の話芸には、現代社会で忘れられがちな人情や温かさ、人生の摂理がいまなお息づいている。落語議連の呼びかけ声明では、故・小林秀雄氏が講演での参考のために5代目古今亭志ん生師匠のレコードを擦り切れるほど聞き込んだというエピソードを紹介している。また、「マクラでその日の寄席の『温度』を読み、気持ちをつかんで、本筋を巧みな話術で展開し、サゲという落としどころで話をまとめる名人芸は、政治家の弁舌もかくあるべし」と記された。要するに言葉に魂を入れ込むということだ。

さん喬師匠が「(国会論戦に)ウィットというかひねりがほしい」と注文を付けたのはそれゆえだろう。また円楽師匠も「日本が失った優しさ、謙譲の美徳などを思い出していただき、ひとりで演じるという日本で一番エコなエンターテインメントを味わっていただきたい」と落語の神髄を語っている。

その後、5人の師匠は設立総会参加議員との写真撮影をすませたが、所用で退席した米團治師匠以外の4名は小泉氏らの案内で国会内を見学している。

「たまたま国会見学に来ていた小学生に遭遇したが、テレビで見る落語家はいるし、進次郎氏はいるし、大喜びの様子だった」

超党派の取り組みに意欲を示す細野豪志議員

師匠らに同行した関係者はこう語った。しかし、いちばん感激したのは幸運な小学生ではなく、議員会館から本館への通路で師匠たちに遭遇した細野豪志衆議院議員(無所属)ではなかったか。

「細野氏とはわれわれが本館に入る時と出る時の2度も遭遇した」(同関係者)

細野氏は小泉氏に負けないほどの大の落語ファンで、筆者も何度か落語会をご一緒したことがある。そんな細野氏にとって落語会の4人の重鎮との遭遇は、さすがに嬉しかったのだろう。後で感想を聞くと、「落語議連が超党派になれば、すぐに参加したい」と意欲を示している。なお同議連のメンバーは12月中旬に寄席に行く予定だが、細野氏は「まだ議連に入っているわけじゃないからなあ」と言いながらも、日程をしっかりとチェックしていた。

一方で国会見学を堪能した師匠たちは、議員会館の地下の売店で買い物を楽しんだ。議連事務局が準備した5人の師匠へのお土産は「国会議事堂焼き」(税込み650円)だったというが、「らくご(65)」にちなんで650円の品物を選んでいたとしたら、事務局もなかなかやってくれる。

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