小泉進次郎氏らは「落語議連」で何を狙うのか

「オチ」は困るが、議論に「ひねり」がほしい?

「落語議連」を結成した小泉氏ら自民の有志議員と支援に駆けつけた師匠たちと宮田亮平文化庁長官(左端)(撮影:筆者)

政界で「落語好き」といえば小泉進次郎衆議院議員が有名だが、その小泉氏ら自民党国会議員の有志が11月20日に「落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会(略称・落語議連)」を設立した。

呼びかけ人は小泉氏のほか、遠藤利明衆議院議員、松本剛明衆議院議員、河村建夫衆議院議員、塩谷立衆議院議員、渡海紀三朗衆議院議員、林幹雄衆議院議員、馳浩衆議院議員、下村博文衆議院議員、松野博一衆議院議員、宮内秀樹衆議院議員の11名。このうち河村氏、塩谷氏、渡海氏、馳氏、下村氏、松野氏は伝統芸能を管轄する文部科学相経験者で、代表発起人で同議連の会長に就任した遠藤氏は文科副大臣を務めている。

何よりも注目すべきは、落語界から柳家さん喬師匠(落語協会)、春風亭昇太師匠(落語芸術協会)、立川談四楼師匠(落語立川流)、三遊亭円楽師匠(円楽一門会)そして桂米團治師匠(上方落語協会)が勢ぞろいしたことだ。5つの協会から蒼々たる顔ぶれが一同にそろうのは異例中の異例でまさに壮観。「控室からこの会場に来るとき、師匠のみなさんがそろってエスカレーターで降りてこられた。それを見て奇跡的な瞬間だと思った」と小泉氏が述べたとおり、落語ファンにはたまらない光景だ。

政治と落語の関係は深い

実際に小泉氏以外にも落語ファンの政治家は多く、林氏は「私は駄洒落が好きで、(駄洒落を言うと)『よせよせ(寄席寄席)』と言われる」と笑いをとれば、それを受けて塩谷氏が「私も少しでも(落語が)できるように勉強しようと思っている」と決意を述べた。なお司会役の宮内氏は青山学院大落語研究会OBで、円楽師匠の後輩にあたる。そのために円楽師匠がわざと先輩風を吹かす場面もあった。

また、発起人ではないが、設立総会に参加した原田憲治衆議院議員は、「私の地元の池田市は、(上方落語の)『池田の猪買い』の発祥地。亡父は米團治師匠のお父様の故・桂米朝師匠と懇意だった」と披露すれば、浅草演芸場によく通っているという平沢勝栄衆議院議員は「故・歌丸師匠に『一度でいいから“笑点”に出してくれ』と頼んだが、まだ実現していない。座布団運びで出演させてほしい」と現在の「笑点」の司会役である昇太師匠に向かって懇願するシーンもあった。

落語家出身の政治家も出ており、故・立川談志師匠が1971年から1977年まで参議院議員を務めている。なおその頃に入門した談四楼師匠は参議院議員会館に通った時、入館申請書の用件欄に「稽古」と書いて不審がられ、「陳情」と書き直したエピソードを披露した。

このように、政治と落語は関係が深い。にもかかわらず、これまで落語議連が設立されなかったのは、「落語」や「オチ」という言葉が「落選」を連想させるものとして避けられたからだ。

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