元グノシーの「DMM新CTO」松本勇気が抱く夢 コードで定義される世界の先頭を走りたい
「僕がエンジニアになったきっかけの1つが『攻殻機動隊』なんです。分かる方には分かると思うのですが、『電脳化』という世界観に憧れていまして(笑)。今まさにVRという技術があり、距離の概念がなくなり、空間を自由に設計できる時代が到来しています。
オフィスで働く必要もないし、アバターを使えば見た目を気にすることもなくなり、生まれや出自などによるハラスメントもなくなるかもしれません。ニアリアルタイムの翻訳システムもあるし、国境を超えたコミュニケーションがスムーズにできる日も近いはずです」
VRの世界で、誰にも何にもとらわれることなく生きられるようになる日が来ることを思い描く。そしてそれは、松本さんにとって決して夢物語ではない。
「先日、1日の間に自分がスマホを見る時間を計測したら、起きている時間の4分の1から3分の1もあったんです。現代の人間は、意識の上ではすでにインターネットの上にいる。もはや、VRの空間で生活できる未来はすぐそこまで来ている。そんな仕組みを僕自身の手で作ってみたい」
さらに、人間の能力をどこまで拡張できるかというテーマも関心の一つだ。「人間の脳は非常にアダプティブなので、もしも腕が4本になったとしても、その全てを自在に動かせる」と松本さん。
「VR空間の中では、人間がドラゴンの姿で生活できる可能性だってある。これまで人間は物理に縛られてきましたが、そこから解放される世界がそこにはある。僕はゲームが大好きで、できることならゲームの中に一日中引きこもって暮らしたい人なので、そんな未来は理想ですね(笑)」
すべてがコードで定義できるようになったその時…
VRだけにとどまらず、世の中の技術革新は日々続いている。松本さんの目に映るのは、全てがコードで定義されていく世界だ。
「僕は、最終的には世界におけるすべての物事がエンジニアリングされていくと思っています。システムや経営にとどまらず、社会システムもきっとそうなる。すべてがコードで定義できるようになったその時、一番先頭を走っている人間でありたいです」
技術、経営、社会環境、“すべてをエンジニアリングできる存在”それが、これから必要とされるエンジニアの姿ではないだろうか。多くのエンジニアが課題解決のためのベストプラクティスをつくり、再現性の高いノウハウを共有していけば、人間はより高次元の課題に集中することができるようになる。
「技術の力で世の中の常識を塗り替えたい」そう強く語った、若きCTOの挑戦は続く。
(取材・文:上野真理子/撮影:竹井俊晴)
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