元グノシーの「DMM新CTO」松本勇気が抱く夢 コードで定義される世界の先頭を走りたい

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その反省を生かし、松本さんはDMMに入社してすぐ、社員の個別相談に応じる時間を設けた。キャリアのこと、技術のこと、さまざまな悩みがぶつけられるそうだが、そこでも自己開示は忘れない。

人とのコミュニケーションをおろそかにしたら、仕事は動かない(写真:竹井俊晴)

「実際のところ、人とのコミュニケーションをおろそかにするエンジニアは少なくない印象です。でも、それでは仕事は動かない。僕ら技術者が作るシステムは、オブジェクト間でメッセージの受け渡しをすることによって、初めて動き出します。人も同じで、メッセージを渡さずに動くわけがないんです」

評価者の視点を忘れてはいけない

20代で次々にやりたいことを実現してきた松本さん。エンジニアが仕事の中で自分の理想を叶えていくためには、「評価者の視点を忘れてはいけない」と助言する。

「時々、『この技術をやりたい』ということだけ主張するエンジニアがいます。でも、自分が所属する企業が解決すべき課題と何も結びつけずに『やりたい』ことだけ主張していても実現できる可能性は低いし、評価にもつながらない。だったら、自分を評価する人の視点に立って、どんな提案をしたらGOサインを出そうと思ってもらえるのか考えた方がずっといい。

企業に利益をもたらすことや、課題解決をするために『この技術が役立つ』って言ってくれた方が上司や経営者としては価値があると判断できますから」自身のキャリアにおいても、技術ばかりに固執せず、経営者視点を磨いたことが今につながっている。グノシーにアルバイトとして入社した彼が、新規事業担当に任命され、CTOを務めるまでに成長したのは、会社の目標達成状況を常に把握しながら、「自分には何ができるか」試行錯誤を続けてきたからだ。

冷静にビジネスを語る松本さんだが、技術者として叶えたい未来について聞くと、「今は人間が肉体を離れてどうやって生活できるのかというテーマに関心を向けている」と熱を込めて話してくれた。

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