オーガニック食品でがんのリスクは減るか フランスで行われた大規模調査
オーガニック食品を買う人は、それが健康にいいと信じて高いお金を払っている。しかしこれまでは、オーガニック食品が本当に体にいいのか、証拠は示されていなかった。
だが、フランスで行われた研究で、オーガニック食品をよく食べる人はまったく食べない人に比べて、がんの罹患率が25%低いということが示された。これは約7万人の成人を5年間継続的に調査した結果、報告されたものだ。オーガニックの果物や野菜、乳製品、肉などをよく食べている人は、特にリンパ腫にかかる割合が低く、また閉経期乳がんにかかる割合も、著しく低かった。
影響の大きさに論文執筆者も驚く
その影響の大きさは、論文の執筆者らも驚いたほどだった。「私たちはがんの罹患率が低くなるだろうということは予想していた。だが、その低下の度合いが非常に大きかった」。論文の筆頭執筆者で、フランス国立保健医学研究機構の疫学統計学研究所の研究者、ジュリア・ボードリーは言う。
彼女によると、オーガニック食品を食べることが、がんを減らす直接の原因になっていることはこの研究では証明されなかったが、「オーガニックを基本とした食生活が、がんのリスク低減に貢献する可能性がある」ということが強く示唆されたという。
この研究は資金の全額が国と政府の基金によって賄われ、10月22日に医学誌の『JAMAインターナル・メディスン』に発表された。
ただし、この論文の付随論評を書いたハーバード大学の栄養学の専門家らは、この研究の問題点として、残留農薬のレベルが測定されていないことを挙げた。彼らは、この研究の結果を裏付けるために、より長期間の研究を政府の資金によって行うべきだと述べた。