オーガニック食品でがんのリスクは減るか フランスで行われた大規模調査
農務省からオーガニック食品の認証を受けるには、農作物は合成肥料や殺虫剤を使わずに育て、遺伝子組み換えを行ってはならない。食肉は、ホルモンや抗生物質を使わずに、オーガニックの飼料で育てた動物のものでなければならない。オーガニック産業協会によると、こうした食品は、現在小売店で売られている食品全体の5.5%を占めているという。
農業用殺虫剤についての社会の懸念を和らげることを目指すグループ、食品と農業のための連合(The Alliance for Food and Farming)は、一般的な方法で育てられた野菜や果物を食べることで生じるがんのリスクについて、消費者は心配すべきではないと言う。
フランスの調査はイギリスのより詳細
同連合のエグゼクティブ・ディレクターであるテレサ・ソーンは、メールで「一般的な方法で育てられた農産物を用いた栄養学の研究で、野菜や果物を豊富に含んだ食事をすることが、がんなどの病気を予防し、長寿につながることであると、ここ数十年間示されてきた」と述べた。
今回のフランスの研究では、6万8946人がボランティアとして参加し、調査が行われた。調査開始時の参加者の平均年齢は44歳、全体の78%が女性だった。
参加者は16種類のオーガニック食品について、どのくらいの頻度で食べるか、詳細な情報を提供した。調査に含まれていたのは、果物、野菜、乳製品・豆製品、食肉、魚、卵、穀物、パン・シリアル、小麦粉、食用油、ワイン、コーヒー、紅茶、ビスケット、チョコレート、砂糖などだった。1回の調査期間は2週間で、参加者はそのうち丸3日間分のオーガニック食品の摂取状況を、分量とともに報告した。
こうして得られた情報は、イギリスの女性百万人調査によって得られた結果よりはるかに詳細だった。イギリスでの研究で尋ねられたのは「どのくらいの頻度でオーガニック食品を食べるか」という質問1つだけだった。