オーガニック食品でがんのリスクは減るか フランスで行われた大規模調査
フランスの研究の参加者は、自身の全般的な健康状態や、職業、教育、所得のほか、タバコを吸うかなどの細かな質問にも答えた。オーガニック食品を食べる人々は健康に関する意識が高い傾向があり、ほかの健康的な行動からも良い影響を受けている可能性がある。
また、オーガニック食品を食べない人たちよりも、所得や教育水準が高いとも考えられる。研究者らはこうした要素を調整し、加えて、運動や喫煙、飲酒、家族の体重やがん罹患歴などの要素も調整して分析を行った
リンパ腫の罹患が低い理由は
こうした調整を経たあとでも、オーガニック食品を最も頻繁に食べる人たちは、リンパ腫の罹患が76%少なく、非ホジキンリンパ腫の罹患は86%少なかった。また、閉経後乳がんの罹患も34%少なかった。
リンパ腫罹患の減少は、それほど驚くべきことではないかもしれない。疫学的研究によると、農家や農場で働き、ある種の農業用殺虫剤にさらされている人は、一部のリンパ腫を罹患する例が多いことが一貫して示されている。
国際がん研究機関は、農業で一般的に使われる2つの殺虫剤、マラチオンとダイアジノン、および除草剤のグリホサートを、発がん物質の可能性があるものとして分類し、この3つの薬剤を非ホジキンリンパ腫とも結びつけている。
オーガニック食品が乳がんのリスクを減らす理由の1つとして考えられるのは、多数の殺虫剤がエストロゲンの作用を模倣する内分泌かく乱物質で、ホルモンは乳がんの罹患と因果関係があるからだ。
(執筆:Roni Caryn Rabin、翻訳:東方雅美)
© 2018 New York Times News Service
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