オーガニック食品でがんのリスクは減るか

フランスで行われた大規模調査

付随論評の執筆者の一人で、ハーバード大学公衆衛生大学院のフランク・B・フー博士は言う。「実際的な観点から言うと、この研究結果はまだ予備的なもので、がん予防のために食生活を変えるよう提言できるほどのものではない」。

彼によると、がんを防ぐうえでアメリカ人にとってより重要なのは、オーガニックであるかどうかにかかわらず、単純にもっと多くの野菜や果物をとることだという。アメリカがん協会が推奨するのは、多くの野菜や果物を食べ、精製した穀物ではなく全粒の穀物をとり、肉や加工肉、砂糖の摂取を抑えて健康的な食生活を送ることだ。

フー博士は国立衛生研究所や農務省などの政府組織が、オーガニック食品の効果を測る研究の資金を提供するべきだと言う。「十分に強力な科学的根拠があり、公衆衛生の観点からも大きなニーズがある」からだ。

イギリスの調査ではがんとの関係わからず

このフランスの研究以外で、オーガニック食品の摂取に関してがんとの関連で大規模調査が行われた例は、2014年のイギリスの研究だけだ。この研究では、通常(あるいはつねに)オーガニック食品を食べていると答えた女性は、非ホジキンリンパ腫のリスクが著しく低かった。しかし、乳がんの罹患率は逆に高くなっており、全体としてはオーガニック食品ががんのリスクを低減していることは示されなかった。

このイギリスの研究は、「女性百万人調査(Million Women study)」として知られる調査の一環として行われた。この研究論文の執筆者によると、オーガニック食品を購入する傾向が強い女性たち、つまり豊かで教育水準が高い人たちは、乳がん罹患のリスク要因も多い傾向があるという。たとえば、子どもの数が少なく、アルコール飲料の消費が多いなどだ。

近年、オーガニック食品市場は欧州でもアメリカでも成長している。アメリカにおけるオーガニック食品の売上は、オーガニック産業協会の調査によると、2017年には452億ドル(約5兆8000億円)だった。

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