BMW3シリーズ、7代目の姿形は何が変わったか デザイナーも「難しい」と唸る車種の最新進化

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ホフマイスターエッケの進化を説明する永島氏(筆者撮影)

ここの曲率は4ドアボディでは構造的に小さくできないそうで、世代が変わってもほぼ一定だという。しかし新型3シリーズではここを鋭くしたいと考え、ピラー側に黒いガーニッシュを追加した。よりスポーティに見せたいという理由からだろう。

これまでドアハンドルの高さにあったキャラクターラインが上に移動するとともに、ドア下方のラインをリアに向けてせり上げていることも特徴だ。これは駆動輪である後輪を強調するとともに、ボディを上下に薄く見せるためだという。

近年のBMWのエントリーモデルは、同じグループのミニ(MINI)とプラットフォームを共有した前輪駆動としているが、3シリーズはやはり後輪駆動がアイデンティティであることが伝わってきた。それとともに、今後電動化が進んでバッテリーを床下に積んだりする際には、このような「薄く見せる技」がさらに重要になっていくことを教えられた。

ボディサイズはまたも拡大した。新型の全長は4709mm、全幅は1827mm、現行型欧州仕様と比べて全長88mm、全幅16mm拡大している。

ちなみに現行型の日本仕様はドアハンドルを専用設計とすることで全幅を1800mmに抑えているが、ここまで広くなるとそれも難しいだろう。ライバルとなるメルセデス・ベンツ「Cクラス」、アウディ「A4」、レクサス「IS」はすべて全幅1800mmをオーバーしている。そんな状況を見てワイド化を敢行したのかもしれない。

むやみな大型化はスポーツセダンらしさを薄める

このサイズ拡大について永島氏は、安全性能向上とともに人間のサイズが大きくなったことも挙げていた。以前もほかのドイツ車ブランドが似たような発言をしていたが、最近の欧米人の平均身長は移民の増加もありあまり伸びていないのが実情で、日本人については1980年以降に生まれた人の平均身長はむしろ低くなっているというニュースもあったことを紹介しておく。

いずれにせよ新型3シリーズは、大きくしたくてサイズアップしたわけではないようだ。むやみな大型化はスポーツセダンらしさを薄めるからだろう。それが証拠に永島氏は、リアパネルを矢尻型にサイドに回り込ませることで、視覚的にコンパクトに見せていることを説明していた。

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