「日本車とドイツ車」、デザインの決定的な差 新しいからといってそれが良いとは限らない

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トヨタ・プリウスをはじめ、近頃多い煩雑なデザインの日本車に不満の自動車ジャーナリスト岡崎五朗氏と、デザイナーとして日産、アウディで活躍し、A5でのデザインで数々のアワードを獲得、現在はフリーのデザイナーとして活躍中の和田智氏が日独のデザインについて語り合った。

本稿は2016年10月発売の増刊号『GQ CARS Vol.2』に掲載した記事です。

プロダクトデザインのあるべき姿とは

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

岡崎五朗(以下岡崎)トヨタのプリウス、シエンタ、ホンダ・フィットといった最近の日本車のデザインを見ていると心配なんです。クルマはパーソナルな乗り物ですが、パブリックな存在でもあります。「自分が好きなんだから文句言うな」と言う人もいるかもしれないけど、街中を走るわけですから街との調和とか景観との相性を考えてしかるべきだと思うんです。

和田 智(以下和田):僕が初めて買ったクルマはG・ジウジアーロがデザインしたフィアット・パンダ4×4です。当時はジウジアーロの存在を知らなくて、後で調べてすごい人だと知ったんです。何がすごいかというと、彼の作品は数が増えて街にあふれてもカッコよくて、全然嫌みがないんですよ。埋没するわけでもなく。作品を街に溶け込ませながら自己表現もできている。ここが天才の技だと思うんです。マスプロダクションの時代になればなるほど、増えるほどに街がきれいになるようなデザインこそが、デザイナーに求められる仕事なんだなと彼の作品から学びました。

岡崎:なるほど。

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