「レクサスLC」1000万円超クーペの明確な個性 ベンツやBMWなどの欧州勢とは明らかに違う
米カリフォルニア州のデザインスタジオ生まれなのに
「レクサスLC」に乗った。3月16日にトヨタ自動車から発売された、価格1300万~1450万円という、国産新車乗用車(米国で生産されるホンダNSXを除く)では唯一全車種1000万円以上というラグジュアリークーペである。
今回の試乗会では、グランドツーリングがメインステージとなる車にふさわしく、愛知県豊田市から京都市まで、琵琶湖や比叡山を経由しながら約200キロメートルを走った。街中、高速道路、山道と多彩な道を試すことができた。
そこで最も印象に残ったのは、メルセデス・ベンツやBMWなどの価格や車格が同格の欧州製ラグジュアリークーペとは明らかに違う個性を備えていたことだった。ひとことで言えば日本的、東洋的だった。その理由を試乗会から帰って考えた。
LCのデザインは、2012年に公開されたコンセプトカーLF-LCをルーツとする。レクサス・フューチャーの頭文字であるLFの2文字を冠したコンセプトカーを、このブランドは10年以上前から発表してきた。多くはその後登場する市販車のプロトタイプであったが、LF-LCは生産を考えていなかった。
レクサスは2009年にスーパーカーの「LFA」を発表し、2012年にかけて500台限定で世に送り出した。LCはその後継となるイメージリーダーが必要と考え、米国カリフォルニア州にあるデザインスタジオで生まれた。つまり日本発のデザインではない。
ただ、日本人より外国人のほうが、この国の良さを理解していることもある。筆者もフランスでタクシーに乗ったとき、乗客が日本人とわかると運転手から北野映画の話題を振られ、相手の知識に圧倒された経験がある。
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