レクサス超高級クーペ「LC」は何がスゴいか 社内組織刷新の意図も読み解く
レクサスに新車種が加わる
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」に新しい車種が加わる。2017年春ごろに日本で発売を控える超高級クーペ「LC」だ。2012年のデトロイトショーで発表されたコンセプトカー「LF-LC」を市販モデルに落とし込んだ意欲作である。そのLCが5月19日、日本で初めてお披露目された。
あえて、”意欲作”と書いたのには理由がある。一般的にコンセプトカーは、市販モデルと比べると制約が少ないので、「LF-FC」のようなスポーツカーでは、よりスポーティな外観に魅せるために、非現実的なまでに車高を低め、幅を広くしていることが多い。実際、「LF-FC」も市販モデルより約40mmも低く、車幅も2mほどあったという。これに対して、市販版は4760☓1920☓1345mmと、より現実的なサイズになっている。
LCの開発を担当したチーフエンジニアの佐藤亘治氏は、走行性能に特にこだわったと話す。
「リニアな応答性と、クルマとの一体感を重視しました。心を刺激するV8サウンドを奏でるエンジンに10速ATを組み合わせ、Dレンジのまま走っても、気持ちのよい変速を目指しました」
ガソリンエンジンモデルの「LC500」では、最高出力475馬力/最大トルク530Nmを発揮する排気量5リッターV8エンジンを”フロント・ミド”に搭載し、10速ATを組み合わせている。フロント・ミドとは、重量物であるエンジンを前の車軸より後ろに配置することであり、重いエンジンが車体の重心に近づき、クルマの曲がりやすさにつながる。
また、人間の座る位置も低めて、重心を低くすることで、ドライバーに正確なインフォメーションが伝わるようになる。いわゆるハンドリングのいいクルマ、思いどおりに操れるクルマ、といったことにつながる。さらに、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やアルミ素材などの軽量素材を採用し、100キログラムものボディの軽量化も施している。足回りには、前:ハイマウント・ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンク式を採用し、剛性の向上をはかった。
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