「レクサスLC」1000万円超クーペの明確な個性 ベンツやBMWなどの欧州勢とは明らかに違う
メタリックな縁取りを施した小ぶりなライト、フロントフェンダーからピラーへの滑らかなつながり、大胆に張り出しているのに大げさに見えないリアフェンダー。存在感にあふれているのに奥ゆかしさを感じる。プロポーションを引き締めるルーフ左右のモールは槍(やり)や薙刀(なぎなた)を思わせる。
北米をルーツとする日本らしさ
ギリシャ人デザイナーが描いたかつてのレクサス・クーペSCが東洋的な世界観を宿していたのと同じように、北米をルーツとするLCのエクステリアに日本らしさを教えられた。
ドアを開けるとまず水平基調のインパネが目に入る。木造建築のたたずまいを感じる。そこからセンターコンソールやドアに向け、ゆったりした弧が伸びる。ところがその曲線は、運転席側と助手席で微妙に異なる。センターのトリムは運転席側と助手席側で見え方が違うという凝った作りだ。
中央の円がスイッチ操作で横にスライドして各種情報を表示する、レクサス独自のメーターアクションが、LCに受け継がれていたことに好感を抱いた。新しいが安く作れる全面液晶パネルより、はるかにときめく。その左下にあるスタートボタンを押し、パワーユニットを始動させる。
LCには排気量5リッターV型8気筒自然吸気エンジンを積むガソリン車「LC500」と、同3.5リッターV型6気筒自然吸気エンジンに2基のモーターを結合したハイブリッド車「LC500h」の2タイプがある。
試乗会ではまずガソリン車に乗った。ターボエンジンが多数派を占めつつある中で希少性を増しつつある自然吸気の大排気量エンジンと、後輪駆動乗用車世界初の10速ATのコンビは、とにかく洗練されている。回すほどに力が湧き出てくる自然吸気ならではの性格を味わわせつつ、クルージングではいつ変速したかわからないほどのスムーズさを届ける。
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