このモデルに触れたら、多くのドライバーが確信するだろう。今後もSUV人気はとどまるところを知らず拡大していくことを。アメリカ・サウスカロライナ州のスパータンバーグで、今年秋口に日本導入が予定されているBMWの新型「X4」に触れて、そう確信した。
そもそもBMWは、ラフロードも走れる本格4輪駆動モデルに、優れたオンロード性能を追求した「X5」を、通常のSUVとは違うという意思の表れと取れるSAV(スポーツ・アクテビティ・ビークル)と独自に呼び、2000年に登場させた。
もともとオンロードが得意だったBMWの技術に、開発当時傘下に収めていたラフロードを得意とするランドローバーの技術が相まって実現できたと予想できるコラボレーションモデルであり、SAVと呼びたくなる気持ちもわかると当時納得した記憶がある。
今ではX5に加えて「X1」「X3」が加わり、さらにそれぞれのクーペモデルとしてオンロード性能を研ぎ澄ました「X2」「X4」「X6」をSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)としてラインナップ。合計6車種となったそれらXファミリーは、2017年にはBMW販売全体の32%を超えるまでに成長した。
クルマそのものの出来栄えには拍手喝采
今年の冬ごろには、ラグジュアリーな「X7」の導入のほか、X5のモデルチェンジも控えているうえに、なんといっても今回紹介するX4が秋口に日本導入されるはずなので、さらにBMWにおけるSAVの販売は伸びていくはずだ。
とは言っても、そのような背景だけから今後もSUVがさらに人気を博すると言うつもりはない。今回触れてきた、ミドル級の売れ筋SACであるX4の完成度の高さが、そう思わせたのだ。
先に言っておくが、粗探しをしても、ボディの大きさが日本の交通環境でどう感じるかと、価格がかなり高くなるのでは?という、クルマを取り巻く周辺にしか気になる要素は見受けられない。クルマそのものの出来栄えには拍手喝采で、その完成度を前にすると乗り比べてしまったらセダンやワゴンなどを選ぶ価値を見いだすのが難しくなると思った。
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