地方の山間部や農村部の国道・県道を走っていると、よく遭遇するのが軽トラック(軽トラ)だ。農家の仕事用として農作物や肥料などを運んでいたり、あるいは日常生活の足として移動や買い物に使っていたりする光景を見掛けたことのあるドライバーは少なくないだろう。
軽トラック向けに最適化させた最先端の安全技術
そんな軽トラの分野にも、最先端の安全技術が投入され始めている。
ダイハツ工業は今年5月末に一部改良した軽トラ「ハイゼット トラック」シリーズに衝突回避支援システム「スマートアシストⅢt」を搭載した。ルームミラー裏に隠れる世界最小のステレオカメラをクルマの前方を見定める目として使い、衝突回避支援ブレーキや車線逸脱警報などを備えた「スマートアシストⅢ」を、軽トラック向けに最適化させた。
ダイハツは2012年末から軽乗用車に衝突回避支援システム「スマートアシスト」を順次搭載してきた。スマアシⅢはその名のとおり、その第3世代に当たる。そしてダイハツを含めて軽トラに衝突回避支援ブレーキ機能を載せたのはダイハツが初めてだ。
ホンダの軽トラ「アクティ・トラック」は、急ブレーキ時にタイヤがロックして滑っていくのを防ぐEBD(電子制御制動力配分システム)付きABS(4輪アンチロックブレーキシステム)を搭載。スズキの軽トラ「スーパー キャリイ」もEBD付きABSと、発進時にブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐ誤発進抑制機能を装備しているが、両社とも衝突回避支援ブレーキ機能は載せていない。
軽乗用車でも導入が進んできた衝突回避支援ブレーキ機能が、軽トラになかなか搭載されなかったのには、主に2つの理由がある。
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