トヨタのでかい「ハイラックス」は売れるのか ピックアップ車が13年ぶりに日本へ"凱旋"
「超ド級」「デカッ」「ハンパない」――。トヨタ自動車が9月12日に発売した新型車のパンフレットには、こんな文字が躍っている。
この新型車とは、ピックアップトラックの「ハイラックス」だ。2004年に国内から姿を消して以来、ファンから復活を望む声が強く寄せられており、13年ぶりに”復活”した。全国のトヨタ店で販売される。
とにかく「でかさ」に驚く
「普段使いで選択する人はいないだろう。普通にでかい車だ」と、トヨタ・CV(商用車)カンパニーの前田昌彦チーフエンジニアが表現するように、ハイラックスは国内で販売するトヨタ車の中では最も大きい車種の一つだ。サイズはボディ全長が5.3メートル超、幅も1.8メートルを超える。
2004年まで日本で販売していた6代目は全長が約4.7メートル、幅が約1.7メートルだったが、世界の標準車となるべく巨大化してお膝元に帰ってきた。排気量2.4リットルのディーゼルエンジンを搭載し、走行シーンに応じて2駆と4駆を切り替えられる。価格は326万7000円~374万2200円。販売目標は年2000台だ。
ハイラックスは1968年の発売以来、約180の国と地域で販売されている。現行モデルは2015年にフルモデルチェンジした8代目で、初代から数えて半世紀の歴史を持つトヨタを代表する車だ。世界での累計販売台数は、約1730万台に及ぶ。
タイからの逆輸入車であるハイラックスは、「IMV」とよばれる新興国戦略車の役割を持っている。悪路でも走行できるタフさや力強さに加え、後方にある大きな荷台に荷物を乗せやすいことが特徴だ。
前田チーフエンジニアは、「気温50度を超える中近東やマイナス50度のロシア、標高4800メートルで空気が薄い南米ペルーなど世界各地で車を持ち込み開発してきた。過酷なラリーでもチーム優勝を達成するなど、そのタフさは生かされている」と語り、世界のどんな環境下でも壊れず、高い評価を得てきた自信を示した。
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