マセラティ「レヴァンテ」、ジャガー「F-PACE」「E-PACE」、そしてランボルギーニ「ウルス」――。世界の新車市場の4分の1をSUV(スポーツ多目的車)が占めるとされる中、近年はラグジュアリーカーブランドやスーパーカーメーカーですら、SUVを投入する流れになってきている。
フェラーリは唯一無二の存在でなければならない
そんな中で注目されているのがフェラーリの動向だ。先駆けてポルシェが「カイエン」や「マカン」でSUVを展開し、あのランボルギーニですらSUVを出したのだから、フェラーリにだってその可能性はありうる。その証拠にフェラーリのトップであるセルジオ・マルキオンネは最近こんなコメントを出した。
「フェラーリは『ユーティリティ・ヴィークル』を作る用意はある。しかし、それはフェラーリならではのものだ。(ちまたにあふれるSUV=スポーツ・ユーティリティ・ヴィークルとは違った)FUV(フェラーリ・ユーティリティ・ヴィークル)とでもいうべきものになるだろう」
これにスーパーカー界は騒然となった。もともと多くのライバルメーカーたちがSUVをラインナップする中、フェラーリだけは、その存在に否定的なコメントを発信し続けていたのだから。
フェラーリほど実用性から程遠いブランドはない。フェラーリといえばこんなイメージを多くの人が持っているだろう。
――真っ赤な、光り輝くような地をはうような優雅なスタイリング。そして遠くからでもその存在感を見せつけるような甲高い排気音。そのバックグラウンドにはモータースポーツの最高峰であるF1のテクノロジーとエンツォ・フェラーリの哲学が生きている――。
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